Jumat, 20 Oktober 2023

アングル:米長期金利5%乗せ、株式から不動産まで各市場に広がる動揺 - ロイター (Reuters Japan)

アングル:米長期金利5%乗せ、株式から不動産まで各市場に広がる動揺

10月19日、米国債の売りが止まらず、利回りは過去15年余りで最も高い水準に達し、株式から不動産まであらゆる市場を動揺させている。ニューヨーク証券取引所で8月撮影(2023年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 19日 ロイター] - 米国債の売りが止まらず、利回りは過去15年余りで最も高い水準に達し、株式から不動産まであらゆる市場を動揺させている。

指標となる10年国債利回りは19日遅くに一時5%と2007年以来の高水準を記録。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締め長期化の観測や、米財政を巡る懸念が高まっていることが利回りを押し上げている要因だ。

米国債は世界の金融システムの基盤とみなされており、利回り急騰はさまざまな方面に影響を及ぼしてきた。投資先として相対的な魅力が下がった株式市場では、S&P総合500種が今年の高値から約7%下落し、住宅ローン金利は20年余りぶりの高さになって不動産価格を圧迫しつつある。

TDセキュリティーズの米金利戦略責任者ジェナディ・ゴールドバーグ氏は「投資家はリスク資産に厳しい目を向けざるを得なくなっている。より高い金利が長く続くほど、何かが壊れる確率が大きくなる」と話す。

FRBのパウエル議長は19日の講演で金融政策は「引き締め過ぎ」とは思わないと発言し、金利高止まり予想が補強された。

パウエル氏は、利回り上昇には「タームプレミアム」が作用していることも認めた。タームプレミアムは、より長い期間の債券を保有する投資家が要求する上乗せ補償で、ある地区連銀総裁は最近、このタームプレミアム上昇によってFRBは利上げの必要度が低下するかもしれないと述べた。

利回り上昇の影響が各市場に波及していく経路は次の通り。

米国債の利回りが上がると、企業や個人の借り入れコストが増大する形で金融環境が引き締まり、株式その他のリスク資産に対する投資家の購入意欲が減退する。

電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、高金利がEV需要を冷え込ませかねないと警告し、19日に自動車セクターの株価が下落。特に他のメーカーとは段違いのこれまでの成長ペースを今後維持できなくなるとの見方が出たテスラの株価は9.3%も下がった。

一部の米国債利回りが5%を超える水準まで高まったことで、株式市場の中では公益や小売りなど高配当のセクターが最も痛手を受けた。

Reuters Graphics

米国債利回りの上昇に弾みがつき始めた7月半ば以降で、ドルはG10通貨に対して平均で約6.4%上昇。主要6通貨に対するドル指数は現在、およそ11カ月ぶりの高値で推移している。

ドル高も金融環境の引き締まりにつながり、米国の輸出企業や多国籍企業のバランスシートに打撃を与えかねない。世界的に見れば、自国通貨安に見舞われる他の中央銀行はインフレ抑制の取り組みが難しくなる。

とりわけ今年になって円が対ドルで12.5%も値下がりしている日本は、政府・日銀が為替介入に動くかどうかが、しばらく注目の的になっている。

BofAグローバル・リサーチのストラテジスト、アタナシオス・バムバキディス氏は19日のノートに「現在の金融引き締めサイクルにおいて、金利が上昇すればドルが買われる流れになっており、その関係性は強固だ」と記した。

住宅ローンとして一番利用されている30年固定金利は2000年以来の高水準となり、住宅建設業界の景況感を損なうとともに、住宅ローン申請の動きに水を差している。

米経済の各セクターのうち、FRBによる急激な利上げが最もはっきり効いているのが住宅セクターで、9月の中古住宅販売は13年ぶりの低水準に沈んだ。

Reuters Graphics

米国債利回りの上昇に伴って、社債などよりリスクのある債券に投資家が求める利回りも高まったため、クレジットスプレッドは拡大している。

クレジットスプレッドは今年春の地方銀行危機を受けて大きく拡大し、その後数カ月にかけて縮小していた。ただ米国債利回りが上がり出してから、ICE・BofA高利回り債指数(.MERH0A0)は4カ月ぶりの高水準となり、起債を目指す発行体にとって資金調達コストが一段と増大しつつある。

ここ数週間は、FRBの政策見通しの変化に合わせて米国の株式と債券のボラティリティーがともに跳ね上がった。米財政赤字の急増やそれを穴埋めするための国債増発懸念も、投資家を不安にさせている。

米国債の予想変動率を示す「MOVE指数」(.MOVE)は過去4カ月余りの最高に近い水準で推移。株式の変動も激しくなり、投資家の不安心理の度合いを示すボラティリティー・インデックス(VIX)(.VIX)は5カ月ぶりの高水準を付けた。

※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」

Adblock test (Why?)


https://news.google.com/rss/articles/CBMiUWh0dHBzOi8vanAucmV1dGVycy5jb20vb3Bpbmlvbi9mb3JleC1mb3J1bS9MTkhLTUdZUElCSlhQTEdJR1hOQklOWVRWVS0yMDIzLTEwLTIwL9IBAA?oc=5

2023-10-20 03:50:42Z
2535942830

Tidak ada komentar:

Posting Komentar