[東京 27日 ロイター] - 経営統合を目指していた米ウエスタンデジタル(WD)(WDC.O)と日本のキオクシアホールディングス(東京・港区)の交渉が、暗礁に乗り上げたことが分かった。事情を知る関係者2人がロイターに明らかにした。現時点で条件が整わなかったとしている。
キオクシアに間接出資する韓国のSKハイニックス(000660.KS)は、「投資資産価値」に影響するなどとして、統合に同意していなかった もっと見る 。交渉の打ち切りを先に報じた日本経済新聞は、キオクシア筆頭株主の米投資ファンド、ベインキャピタルとも統合を巡る条件で折り合えなかったと伝えている。
関係者の1人はロイターに「両社ともに交渉再開したい意思はあるが、とりあえず昨日で打ち切りになった」と語った。もう1人の関係者は、SKハイニックスの説得は続けていると明らかにした。
キオクシアはロイターの取材に回答を控えた。WD、ベインのコメントは現時点で得られていない。
WDとキオクシアは月末の合意を目指していた。日本の3メガバンクなどは先週、1兆9000億円の融資を確約。合意に向けて前進したが、統合の実現までにはSKハイニックスの同意や中国競争当局の承認取り付けが課題として残っていた もっと見る 。
半導体産業を所管する西村康稔経産相は27日午前の閣議後会見で、「民間企業同士のやり取りでコメントできない」としつつ、「どのような状況かしっかりフォローしながら報告を受け、政府として対応を検討する」と述べた もっと見る 。
NAND型フラッシュメモリーの世界シェアでキオクシアとWDはそれぞれ2位と4位。統合が実現すれば、最大手の韓国サムスン電子(005930.KS)と並ぶはずだった。
キオクシアはもともと東芝(6502.T)の事業で、2018年に米投資ファンドなどからなる連合に売却された。WDとはこれまで三重県や岩手県の工場運営などで協業しており、21年ごろから統合に向けた交渉を断続的に進めてきた。
足元ではスマートフォンなどの需要低迷で半導体メモリー市況は急速に悪化。両社は22年10─12月期から3四半期連続で最終赤字に陥っている。
竹本能文、山崎牧子、久保信博 編集:石田仁志、田中志保
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2023-10-27 04:18:00Z
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