異次元緩和の導入が決まった2013年4月上旬の会合では、具体的な政策メニューについて議論したあと当時の黒田総裁が「こうした金融緩和策の継続期間について議論をしたい」と呼びかけました。
これについて、当時の木内登英審議委員は「2年程度を集中対応期間と位置づけて政策を導入するというように期限を区切るのがよいと思う。政策の評価もして効果があまりないということであれば別の政策を考えるということにすべきだ」と提言しました。
これに対し当時の宮尾龍蔵審議委員は「私も2年間集中して行うという意識がある一方で、事前には期間を明示しないことでもたらされ得る政策効果の波及ルートを強化して人々の景気回復期待を高めるという側面もあるので両方のバランスを追求するのがこの政策の枠組みだ」と発言しました。
また、当時の中曽宏副総裁は「2年ということを文章上区切ってしまうと期待形成がスムーズにいかないのではないか。何とか2年でやり遂げるという気持ちを共有した上で文章的には、2%の物価安定目標の実現を目指し、これを安定的に持続するまでに必要な時点まで継続するということでよいのではないか」と発言しました。
このほか石田浩二審議委員から「1年たったところでよく見て、それからまたやっていくところで中締めをして、その中で本音の議論をしていけばよいと思う」という指摘もありました。
採決の結果、2%の物価安定目標の実現を目指し、これを安定的に持続するまでに必要な時点まで継続する方針が木内審議委員を除く8人の政策委員の賛成で決まりました。
この方針については「経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う」という文言も加えられています。
このように当時、政策委員からは、異次元緩和のもと2%の物価目標の実現を2年でやり遂げるという思いが相次いで示されましたが、異例の政策をいつまで続けるのかについては具体的なイメージが示されないまま、必要な時点まで続けるという形でまとめられた経緯が議事録から明らかになりました。
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2023-07-31 03:55:24Z
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