アメリカでの発表をYouTube Live、日本での発表を記者会見場で取材したが、どちらのイベントでも「GoogleはAppleになりたいのかな」と感じ取れてしまった。
記者会見の冒頭、Googleは「ハードウェアとソフトウェアとAIによって製品づくりを行っている」とアピールした。今回発表されるのはハードウェアだが、それにはAndroid OSだけでなく、マップやフォト、メールなど、Googleのソフトウェアがあってこそ。さらにAIがそれらをサポートすることで、ユーザーは使いやすさを実感できるというわけだ。
同じようなメッセージはAppleも再三発信している。
Appleの場合は「ハードウェアとソフトウェアとサービスの会社だ」(ティム・クックCEO)という言い方だ。iOSやMacOSを手掛けつつ、iPhoneやMacBookを製造。さらにApple MusicやApple TVといったコンテンツサービスで売上築きつつある。
ハードウェアとソフトウェアからスタートしたAppleと、ソフトウェアからAI、ハードウェアに進出したGoogle、出身は違えど、似たようなゴールを目指しているわけだ。
さらに「GoogleがAppleを追いかけているな」と感じるのが、プライバシーやセキュリティへの配慮である。
今回の発表会では、Nest Hub Maxというカメラ付きのスマートディスプレイの日本上陸がアナウンスされたが、カメラがついていても「ユーザーのプレイバシーはきっちりと守る」としっかり言及されている。ユーザーやデバイスがどのような動きをしているのかがカメラの横のランプで確認でき、カメラ自体をオフにしたい時は背面のハードウェアスイッチを切り替えればいいという紹介もあった。
ティム・クックCEOは「Appleはユーザーのプライバシー保護を第一に考えている」とし、一方で、Googleのことを「ユーザーのプライバシーデータで金儲けをしている」と厳しく非難している。
ただ、ユーザーからすれば、Googleのサービスは個人の欲しい情報がすぐに手に入るということもあり、「個人情報が活用されている」と頭の隅に感じながらに利便性とメリットを享受し、サービスを積極的に使っている面もある。
GoogleとしてはAppleがあまりにプライバシーについて攻めてくることもあり、一般に向けて「うちはしっかりとプライバシーに配慮していますよ」とアピールしたかったのだろう。
そしてもうひとつ、「GoogleはAppleを意識しているな」と感じたのが環境への配慮だ。
今回、GoogleはNest Miniなどの製品を作るうえで、ペットボトルからなる再生プラスチックを利用しているとアピールしていた。これは最近、Appleが「再生アルミニウムを使って製品を作っている」という訴求に通じると感じる。いずれにせよメーカーとしてものづくりをするうえで、環境への配慮は不可欠というわけだ。
GoogleがAppleを追いかけるのは結構な話だが、ひとつだけAppleを真似てほしくないのが価格戦略である。
今回のPixel 4は最安値のPixel 4の64GBで8万9980円、最高値だとPixel 4 XLの128GBで12万8700円(価格はいずれも税込み)とかなり高額。iPhone 11の64GBが8万2280円(税込)と考えるといい勝負をしている。中身はさておき、デザインや質感で比べると、ほぼ同価格帯であればiPhone11のほうが支持されそうな気配があるだけに、Googleにはもうちょっと頑張ってもらう必要がありそうだ。
前モデルのPixel 3では、まさかの廉価版であるPixel 3aが登場して、世間をあっと言わせた。Pixelシリーズにはあれぐらいの価格帯がちょうどいいイメージもあるので、ぜひともPixel 4でも廉価版「4a」の登場に期待しておきたい。
https://japanese.engadget.com/2019/10/16/pixel-4-google-apple/
2019-10-16 07:50:00Z
52781975494961
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