新型コロナウイルスの感染が拡大する中で世界の経済成長は金融危機時以来の水準に落ち込むと、経済協力開発機構(OECD)が予測した。中央銀行と各国政府は急変する状況への対応を迫られそうだ。
世界の中銀は市場のパニックを抑えようとしているが、OECDは1-3月(第1四半期)がマイナス成長となる可能性もあるとしている。通年の成長率予想は昨年11月時点から0.5ポイント引き下げ2.4%とした。これは09年以来の低成長となる。
状況が悪化すれば、医療や景気支援について「主要国・地域の協調した政策行動が必要となるだろう」ともOECDは指摘した。
各国政府や中銀は既に行動の準備をしている。日本銀行とイングランド銀行(英中銀)は、金融市場の安定化を目的とした行動をとると約束。米連邦準備制度も利下げの可能性に扉を開いている。主要7カ国(G7)の財務相らは「できる限り協調した」行動を取るため週内に電話会議を行う。
OECDの予測は中国でのウイルス感染が1-3月(第1四半期)中に山を越え、他の国・地域の感染は「穏やかで抑制されたものにとどまる」ことを想定しているため、実際は予測よりはるかに悪くなり得る。
ウイルス感染が想定よりも長期化して被害を拡大させ、アジア・欧州・米国の全域に広がれば、今年の成長率はわずか1.5%となり日本やユーロ圏などがリセッション(景気後退)入りする可能性があるとOECDはみている。
OECDは「コロナウイルス:世界はリスクにさらされている」と題した経済見通し中間報告で、「コロナウイルス感染は既に相当な人的被害と主要経済への打撃をもたらした。成長見通しは引き続き極めて不確実だ」と指摘した。
OECDのチーフエコノミスト、ローレンス・ブーン氏は、問題の性質から、的を絞った支出と経済政策が必要であり、金融政策は最適な手段ではないかもしれいないと指摘。「単なる需要のショックではなく、信頼感への打撃でありサプライチェーンの混乱だ。中銀だけで対応することはできない」と論じた。
下振れリスクが現実となった場合は、各国の協調行動が必要になるだろうとし、現時点でその可能性を表明しておくことも有用かもしれないとOECDは指摘した。
「各国・地域で信頼感が低下しており、後追いの対策のメッセージではなく、協調した措置を講じることを少なくとも協議しておりその用意があるというメッセージが必要だ」とブーン氏は述べた。
政府が直ちに取れる、また取るべき措置はあるとOECDは指摘。保健・医療サービスへの財政支援や柔軟な労働の仕組みと所得の保証、金融セクターへの流動性供給、観光業など打撃を受けた業界への的を絞った支援、政府補助と財政規律の緩和を挙げた。
コロナウイルス以外のリスクとしてOECDは貿易と投資を巡る緊張が「引き続き高水準でさらに拡大する可能性」や、英国と欧州連合(EU)の将来の関係を巡る不透明に言及。金融市場の最近の急落も、高い債務水準と信用の質の悪化による脆弱(ぜいじゃく)性を高めると分析した。
ブーン氏は、今回の予測について「非常に謙虚な姿勢でいる。異例の事態であり状況は日々変化している」と付け加えた。
原題:Virus Pushes Global Economy Toward First Contraction Since 2009(抜粋)
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2020-03-02 11:26:00Z
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