総務省が22日発表した4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比0.2%低下と、伸び率は2016年12月(0.2%低下)以来のマイナスに転じた。市場予想は0.1%低下だった。原油安を背景としたエネルギー価格の下落や高等教育の無償化に加え、新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界的な行動制限で外国パック旅行費や宿泊料が値下がりしたことも響いた。
キーポイント |
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エコノミストの見方
岡三証券の愛宕伸康チーフエコノミスト:
- このタイミングでコアCPIがマイナスになるのは想定内。やはり原油の影響が強く出てきている
- しかしもっと深刻なのは需給ギャップが緩んできていること。これは劇的には改善しないため、しばらくはコアCPIもマイナスが続くと思う。要因としてはコロナが一番大きい
- 日本銀行としては物価の見通しというよりも、まずは企業金融に集中してコロナ渦が金融システム不安に拡大することを防ぐということに取り組んでいくはずだ
農林中金総合研究所の南武志主席研究員:
- 昨年のエネルギー価格は高めに推移したため、現状が続くともう一段下げ圧力は強まると思う
- 先行きV字回復が見込めないため原油価格はそれ程戻らないだろう。そうすると今年1年間くらいエネルギーが物価下落に寄与する見通し
- 日銀にとって今は景気を下支えすることが物価にもつながるはずなので、現状は中小企業の資金繰りに万全を期すというのがやはり最優先課題だと思う
詳細(総務省の説明)
- コアは、新型コロナの影響でガソリンや宿泊料が大幅に低下した上、教育無償化など制度の影響が総合的に合わさった
- コア調査品目523のうち上昇379、下落128、変わらず16と、品目数では上昇が多いが、ガソリンや宿泊料などのマイナス寄与が大きい
- 宿泊料は3月1.4%低下から4月7.7%低下へと大幅に低下。訪日外国人客が99%減ったほか、国内旅行も減少していることを反映
- 今後の見通しは、足元の原油価格は戻しつつあるものの、ガソリン価格は1カ月前の原油価格が反映されるため5月も下がるのではないか。電気やガス代も数カ月後に影響が出てくる
背景
- 全国の物価の先行指標となる4月の東京都区部のコアCPIは前年比0.1%低下と、伸び率は17年4月以来のマイナスに転じた
- 4月の訪日外客数は前年同月比99.9%減り、22の国や地域の区分全てで「ほぼゼロに近い数字」となった
- 西村康稔経済再生担当相はブルームバーグとのインタビューで、政府は日本経済を絶対にデフレには戻さないという強い決意を日本銀行と共有し、新型コロナ対応でも連携していく考えを示した
(詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新しました)
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2020-05-21 23:33:00Z
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