Rabu, 20 Mei 2020

日本のデジタル化は「10年遅れ」、コロナ契機に転換を-平副大臣 - ブルームバーグ

新型コロナウイルス対策を巡っては、現金給付の行政手続きに時間がかかるなどデジタル化の遅れが浮き彫りになった。政府で新型コロナ対策でのIT活用を担う「テックチーム」事務局長の平将明内閣府副大臣は「日本のデジタルガバメントは10年遅れている」と指摘し、危機を契機にポストコロナ社会を見据えた改革を進めていく必要があるとの考えを示した。

  平氏は19日のブルームバーグのインタビューで、日本の取り組みについて「本来テクノロジーの進歩と合わせて政府もデジタル化していかないといけなかったのに、それができていなかった」と振り返り、「政治家サイド、行政サイドが意識を強く持ってやってこなかった」ことで、テクノロジーの進歩に沿った規制改革が停滞したと反省を口にした。

  国民に1人当たり一律10万円を配布する特別定額給付金では、マイナンバーカードを利用したオンライン申請もあるが、マイナンバーカードの普及率は16%(4月1日現在)にとどまり、多くの人は郵送で対応することになる。2009年にリーマン・ショック後の緊急経済対策として実施した定額給付金と同様に市町村職員の手作業に頼っており、給付に時間が掛かる状況は10年以上たっても改善されていない。

  自民党のIT戦略を担当してきた平氏は、19年10月の10%への消費増税に向けた経済対策についての党内議論で、「マイナンバーカードに1万円分のポイントを付けて1億枚配ろうという提案をした」と話す。当時政策には盛り込まれなかったが、実現していれば今回の現金給付が円滑に行えたとの見方を示した。

デジタル遷都

  平氏は「今後マイナンバーカードを使った支援策や景気刺激策は増えていく」とした上で、マイナンバーと入金先の銀行口座とのひも付けを行うことで、迅速な給付に結び付けたい考えだ。日本経済新聞によると、自民党は追加給付の場合に対応できるよう、自治体がマイナンバーと銀行口座を連結させて管理できるようにする仕組みを政府に提言し、今国会にも議員立法の提出を検討する。

  新型コロナウイルスによる影響の長期化で、行政手続きやビジネス慣行で対面原則の見直しが求められる中、変化の兆しもある。東京都が4月に行った調査によると、都内にある従業員30人以上の企業のテレワーク導入率は62.7%。緊急事態宣言が発令される前の3月時点は24.0%で、わずか1カ月で2.6倍になった。

  政府の規制改革推進会議も4月28日、書面作成や押印、対面対応を求められている手続きのオンライン化について検討に着手した。

  平氏は「日本は疫病がはやると、都を移す遷都をしてきた」として、ポストコロナの時代では「リアルな社会からサイバー空間に都を移す『デジタル遷都』が求められる」と強調した。

接触確認アプリ

  新型コロナ対策で政府は感染者と濃厚接触した可能性を知らせるスマートフォン向けの接触確認アプリを早期に導入する方針を示している。近距離無線通信「ブルートゥース」の記録を活用し、 感染が判明した場合にアプリの記録をたどり、濃厚接触の疑いがある人に通知する仕組み。基本ソフト(OS)を手掛ける米グーグル、米アップルが詳細な仕様を公開するのを待って政府が民間企業に開発を委託する。

  平氏は、日本が導入を目指す接触確認アプリでは個人の携帯電話番号や位置情報も使用せず、「アプリそのものは個人情報に該当するものは扱っていない」と説明。「世界の各事例を見ても最もプライバシーに配慮されているカテゴリ-に入るシステムだ」との認識を示した。  

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2020-05-21 01:00:00Z
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