日本銀行の黒田東彦総裁は5日、3月以降にドルに対し10円程度も円安となった「今回の為替相場の変動はやや急」だと語った。衆院財務金融委員会で答弁した。
為替の影響が業種や企業規模、経済主体によって変わり得ることには留意が必要としながらも、「円安が全体として、わが国経済にプラスに作用しているという基本的な認識に変わりない」と話した。為替相場は経済・物価に大きく影響するとし、引き続き注視していく考えを示した。
為替に関する発言を受けてドル売り・円買いが優勢となり、ドル・円相場は一時前日比0.3%安の1ドル=122円38銭まで下落した。
ドル・円は下落、為替変動やや急との黒田総裁発言で円買い優勢
日銀は先週、長期金利0.25%での指し値オペを3日間連続で行うなど長期金利の上昇を強く抑制している。ドル・円は3月28日、日米の金利差を背景に一時、7年ぶりの125円台まで円安が進行した。
黒田総裁は急激な長期金利上昇に対しては、指定した利回りで国債を無制限に買い入れる指し値オペを使うと強調した。変動許容幅の上限である0.25%程度を超える状態が継続すると、緩和効果が減殺されるとした。
金融政策については、デフレからの脱却や2%の物価安定目標の安定的・持続的な実現には長期金利の低位安定が必要とし、現在の強力な金融緩和を粘り強く続けると改めて表明した。現時点で金融を引き締めれば、景気が悪化し「雇用や賃金、企業収益に大きなマイナスの影響が出てしまうということを懸念している」とも話した。
4月以降の消費者物価が携帯電話通信料の値下げ効果の剥落などで2%程度の伸びとなる可能性を指摘した上で、エネルギー高騰に伴うコストプッシュ型の上昇と説明。企業収益や家計の実質所得の減少を通じて景気を下押しするとし、物価上昇は「長続きしない」と語った。安定的な上昇には賃金上昇が不可欠とし、これまでの企業収益の増加に比べて鈍い賃上げは「大きな期待外れ」との認識を示した。
他の発言
- ラストリゾートは適切な表現でなかったかもー指し値オペで
- 為替介入の効果は一概に計れない
- 為替相場、経済のファンダメンタルズ反映し安定的な推移が極めて重要
- 賃金・物価のスパイラル的上昇につながれば金融引き締め必要
- 金融緩和の継続、ゾンビ企業の維持というマイナスの議論は現実的ではない
- 日銀の大幅緩和、財政ファイナンスではない
- 金融緩和で経済活動支える、政府と基本的に方向性は同じ
- 財政の信認失われれば、長期金利低位に努めても金利上昇
- 具体的な出口戦略を今申し上げるのは時期尚早
- 出口戦略、安定的な物価2%の達成近づけば当然議論
- リスク性資産購入、市場機能をゆがめているとは考えてない
- 国際通貨としてのドルの優位性、当分変わらないと思う
(総裁の発言を追加して更新しました)
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2022-04-05 00:46:26Z
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