日本郵政の増田寛也新社長(68)は9日、都内で就任後初めての記者会見を行った。「創立以来最大の危機だ」と強調したうえで、かんぽ生命保険の不適切契約問題について「経済的な被害を回復することが一番優先だ」と述べ、重点調査の対象を拡大して全容解明を急ぐ考えを示した。
会見したのは増田氏と、かんぽ生命の千田哲也(59)、日本郵便の衣川和秀(62)の両新社長。かんぽ生命の問題を受け、3社の前社長が一斉に退陣したことを受けて6日付で就任した。
不適切契約をめぐっては昨年12月15日時点で、1万2836件の契約者が法令違反や社内規定違反による契約を訴えていることが判明した。これまでは不適切な契約の疑いのある18万3000件について対面などによる重点調査を行ってきたが、調査過程で新たな不適切な契約の類型が判明した。増田氏は、こうした類型に基づいて改めて不適切な疑いのある契約を抽出し、追加の重点調査を行う考えを示した。
増田氏は旧建設省(現国土交通省)出身で、岩手県知事を3期務め「改革派知事」として知られたが、民間企業のトップは初めてとなる。増田氏は「危機管理に官民の違いはない。足りない部分は外部の知見や専門家を入れて補う」と語った。すでにタスクフォース(特命チーム)を設けて具体的な改善策を検討する体制づくりを進めていることも明かした。契約者の苦情などの情報が経営層に届かない社内体制については、外部の通報窓口を設け、組織風土の改革に努める方針だ。
行政処分をめぐって、当時の総務次官が日本郵政の上級副社長に対して検討状況を漏えいしていた問題については昨年末、長門正貢前社長がいったん調査を見送るとしていたが、増田氏は改めて調査する方針を示した。増田氏は「官民癒着の疑いがある。それ(調査見送り)でいいのかと思っていた」と述べた。
増田氏ら3社長は、会見に先立ち9日午前に官邸を訪れ、安倍首相から「一刻も早い信頼回復に努めてほしい」と要請を受けた。
◆記者会見のポイント
▽創立以来最大の危機。グループ役員、社員全体で危機感を共有する
▽かんぽ生命保険の不適切契約問題で、対象を拡大して追加の詳しい調査を実施
▽不適切契約の全容解明と契約者の不利益解消、ガバナンス(企業統治)やコンプライアンス(法令順守)の確立が優先。成長路線を語る時点でない
▽当時の総務次官による情報漏えい問題を調査
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2020-01-09 13:37:39Z
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