Minggu, 23 Februari 2020

G20、相次いだ新型肺炎懸念 麻生大臣「情報量が…」(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

 サウジアラビアのリヤドで開かれた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は23日、共同声明を採択して閉幕した。共同声明では、新型コロナウイルスによる肺炎が世界経済に打撃をもたらす新たなリスクだとの危機感を共有したと打ち出す。ただ、当事国の中国は事実上欠席し、議論は深まらなかったとみられる。根深い米中対立の構図も影を落とし、ショックに対処する国際協調への足並みもそろっていない。

【写真】G20財務相・中央銀行総裁会議の直前に、記者団の取材に応じる日本銀行の黒田東彦総裁=2020年2月22日、リヤド、岩沢志気撮影

 22日の開幕直後には、国際通貨基金(IMF)が今年の中国の成長率予想を1月時点から0・4ポイント低い前年比5・6%に下方修正。ゲオルギエバ専務理事は声明で「世界経済への打撃は比較的短期間だろう。ただ、より深刻なシナリオも考慮している」と述べた。

 市場の見通しからすると、このIMF予想は楽観的だ。中国指導部は積極的な財政・金融政策で景気を下支えする構えだが、感染がおさまらなければ、正常な経済活動への復帰もおぼつかない。15日時点で2億人以上の出稼ぎ労働者が、春節を過ごした郷里に足止めされたままだ。

 今回のG20で、中国は本来参加すべき財務相や中央銀行総裁が欠席し、駐サウジアラビア大使の参加にとどめた。麻生太郎財務相は22日の討議後、各国から肺炎の影響への懸念の声が相次いでいたと説明する一方、「情報の絶対量があまりにも少ない。しっかり連携をとっていこう、というところまでだ」と、具体策を検討する段階ではないとの認識を示した。

 一方、危機管理で主導的な役割を期待される米国は、トランプ大統領が「習近平(シーチンピン)国家主席の力強い指導の下、対策は非常にうまくいく」(7日のツイート)などと楽観的な認識を示し続けてきた。11月の大統領選を見すえるトランプ氏にとっては、消費者心理を冷やしたくない思惑が働く。

 ただ、米政権全体としては中国への不満も目立つ。ポンペオ米国務長官は18日の会見で中国に「透明性を高める」よう求め「(国外の)専門家が中国に入るのに時間がかかりすぎた」と批判。対する中国の王毅(ワンイー)外相兼国務委員は14日、外国メディアの取材に、米国が中国滞在歴のある外国人の入国を制限していることの再考を求め、不信感をにじませている。新型肺炎をめぐってもつばぜり合いを演じる両大国の姿勢は、今後の国際協調への深刻な足かせとなりかねない。

 G20は23日の討議では、巨大IT企業を念頭に置いた新しい国際的なデジタル課税のルールづくりや、民間や各国の中央銀行が研究や発行を検討している「デジタル通貨」について話し合った。デジタル課税については、経済協力開発機構(OECD)がとりまとめ、1月に大枠で合意した内容についてG20でも承認する文言が共同声明に盛り込まれる見通しだ。(リヤド=岩沢志気、青山直篤、北京=福田直之)

朝日新聞社

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