5月14日に新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の一部解除が発表され、終息に向けて一歩前進となった。とはいえ、大きく状況が好転しているわけではなく、今後もいわゆる“3密”を避けたり、テレワークや時差出勤、不要不急の外出を控えるなどの対応が求められることになる。
そういった中、1人一律10万円を支給する「特別定額給付金」の申請手続きが5月1日より開始した。すでに半月ほど経過したが、現在でもそれを巡って様々な混乱が起きている。
中でも、特別定額給付金をいち早く申請できるマインバーカードを利用したオンライン申請について、申請方法がわからない人たちや、これから急遽マイナンバーカードを作ろうと考えた人たちが各自治体の窓口に殺到しているという事態は、本来避けなければならないことだ。
今回は、特別定額給付金の申請方法について確認したいと思う。
“給付金のためだけ”にマイナンバーカードを作る必要はない
まず、以下のフローチャートで、マイナンバーカードに関して自分が今どういう状況にあるのかを確認してもらいたい。
あらためて確認しておくが、マイナンバーカードを使った特別定額給付金のオンライン申請は、事実上現時点でマイナンバーカードを持っている人が対象だ。それはなぜか。
マイナンバーカードを持っていない人が今から申請してマイナンバーカードを作ろうとしても、実際にマイナンバーカードを入手できるのは1~2カ月先となる。
それに対し郵送申告は、この原稿を執筆している5月14日時点でまだ郵送申請を開始していない自治体も含め、遅くとも6月上旬までにはほぼ全ての自治体で開始になると考えられる。つまり、あと2~3週間の間にほぼ全ての自治体で郵送申請が開始されるわけだ。
となると、今からマイナンバーカードを作っても、オンライン申請できるタイミングはそれより遅くなる。当然、特別定額給付金を受け取れる時期も遅くなるわけで、給付金のオンライン申請のため“だけ”に、今からマイナンバーカードを作る必要はない。
また、自治体の窓口は、マイナンバーカードを作るだけでなく、オンライン申請のやり方がわからないという人や、パスワードを忘れたりパスワード入力を何度も間違ってロックがかかったため、再設定してほしいという人も詰めかけているという。
それによって、窓口は通常以上に混雑し、またシステムの遅延も発生。手続きまでの待ち時間もかなり長時間になっているという。感染リスクを考えると、大勢が詰めかけている窓口に行くのはできれば控えたい。多少は待てるのであれば、郵送申請をお勧めしたい。
郵送申請に必要なものは、振込口座確認書類と本人確認書類の写し。あとは、市区町村から受給権者宛に郵送された申請書に振込先口座を記入し、確認書類とともに、市区町村へ郵送するだけでシンプルだ。
記入方法や給付の流れについては、特別定額給付金のポータルサイトでわかりやすく解説されている。
ICカードリーダーライターがなくてもパソコンでオンライン申請は可能!
次に、特別定額給付金のオンライン申請に必要となる機材についても再確認していこう。
最初に、以下のフローチャートをチェックしてもらいたい。これで、自分がどういう手段でオンライン申請すればいいのか、すぐに判断できるはずだ。
まず確認しておきたいのは、オンライン申請は大きく分けてスマホで行なうか、パソコンで行なうか、に分けられる(タブレットも方法はパソコンの場合にほぼ準ずる)。
スマホでのオンライン申請には、マイナンバーカードの読み取りに対応し、マイナポータルにアクセスできるスマホが不可欠となる。具体的な対応スマホのリストはマイナポータルの「よくある質問」ページ内に記載されている。
リストを確認するのが面倒な場合には、スマホに「マイナポータルAP」がインストールできるかどうかで判断すればいい。
スマホのブラウザで「マイナポータル」にアクセスし、メニューから「スマートフォンのブラウザでログイン」ボタンをタップする。すると、iPhoneでは「App Store」、Androidスマホでは「Google Play」に遷移し、そこでマイナポータルAPをインストールできれば対応スマホ、インストールできなければ非対応スマホと判断できる。
続いてパソコンだ。パソコンでマイナンバーカードを使ったオンライン申請を行なう場合には、対応するICカードリーダーライター、もしくはマイナンバーカードの読み取りに対応したスマホを持っていれば申請できる(詳しい操作手順は関連記事を参照してもらいたい)。
どちらも持っていないという場合には、どちらかを入手する必要がある。ただし、現在はICカードリーダーライターが品薄となっており、不当に高額で販売される例も多く見かけられる。無理に機材を揃えるよりは、郵送申請を選択したほうがよい。
緊急事態宣言が39県で解除されたとはいえ、新型コロナウイルスが消えたわけでもなく、東京・大阪圏ではいまだ外出自粛は続いている。少しでも早く特別定額給付金を手に入れたいという気持ちはあれど、そのため混雑する窓口に出掛けたり、機器を購入するのは避けたい。
一歩立ち止まり、あわてることなく特別定額給付金の申請を行なってほしい。
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2020-05-16 00:35:49Z
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