2021年4-6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率で1.3%増と、2四半期ぶりのプラス成長となった。海外経済の堅調な推移を受けた輸出の好調持続に加え、設備投資もプラスに転じた。緊急事態宣言下で外出自粛や飲食店の時短営業が要請されていた中でも、個人消費は市場予想を上回る伸びとなった。内閣府が16日発表した。
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西村康稔経済再生担当相は記者会見で、緊急事態宣言下で時短営業や行動自粛を要請している中でも「非常に強い消費意欲」が見られたと説明。デジタル関連事業など中心に堅調な設備投資は「今後の経済のけん引役として期待したい」と述べた上で、政府の見通しである「今年度3.7%成長するという姿を確実に実現していきたい」と語った。
国内に上場する3月期決算企業のうち、6月までの業績を開示したタイミングで今期計画を引き上げた企業は1割を超えた。ただ株式市場の反応は鈍く、割安感の出た日本株を投資家が積極的に買い進む動きはない。世界的に新型コロナウイルスの変異株の感染がまん延する中、年後半に向けて収益改善の勢いが持続できるかは不透明で、市場は好業績を織り込めていない。
市場関係者の見方
明治安田総合研究所の小玉祐一チーフエコノミスト:
- 個人消費が結構伸びた。6月後半まで緊急事態宣言下にあったのでもう少し落ちるかと思ったが、これが一番のサプライズ
- 内訳を見るとサービスが伸びている。宣言明け後の6月の最後の1週間あたりで、反動増的な消費がかなり伸びたと思う
- 7-9月は引き続きほとんどの期間で宣言下にあり、かつ4-6月の個人消費が思っていたより良かったことを考えると、反動減が出やすいだろう
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員:
- 4-6月期は宣言下で消費は抑制され、サービス関連は大型連休のかき入れ時の人出抑制でマイナスになると考えていたが、結果は意外に強かった
- 今回プラス成長に復帰したが、主要各国と比べると日本の回復力の弱さ目立つ。ワクチン接種の遅れによる部分が大きい
- ワクチン接種が進んでいても感染拡大。ワクチンが切り札という期待や、GDPが年内にコロナ前水準を回復するというシナリオが後退しつつある
- 特効薬はなく従来政策の延長で対応せざるを得ず、手詰まり感。菅政権は最悪のタイミングで解散総選挙へ
第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミスト:
- 7-9月は輸出が半導体の制約から解放されプラス成長を確保するだろうが、個人消費は緊急事態宣言が延長含みの中で低成長が続くことになろう
- 感染が拡大し、衆院解散・総選挙を前に政府が経済対策を打ってくる可能性はあるが、感染対策が成功しないと従来型の総需要政策は効かない
- 飲食店や旅行業などの破たんを食い止める政策支援は必要だと思うが、GDP押し上げ効果は乏しい。オリンピック後の成長率は下方修正含み
(西村再生相の発言、エコノミストコメントを追加して更新しました)
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2021-08-15 23:55:00Z
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