といっても、その中身は極めてiPhone 8に近いもの。iPhone 5sのリフレッシュ版であった初代iPhone SEに対し、iPhone 8のリフレッシュ版が第2世代のiPhone SEという位置づけです。
こう書くと「俺の欲しいSEはコレじゃない!」という人が少なからず出てくるかもしれません。"俺のSE"はそれぞれに思い入れの方向が違うからです。
では"俺のSE"とは、どんな端末なのか。
初代SE像から想定されるのは、"コンパクトで持ちやすいiPhone"、"購入しやすいiPhone"、この2つのイメージです。初代iPhone SEはその両方を兼ね備えていましたが、その後継機種を待ち望む人たちの多くは、"4インチ画面のコンパクトなiPhone"だったのではないでしょうか。
しかし、登場したのは4インチサイズの初代iPhone SEをアップデートした製品ではなく、iPhone 8と同じ形をしていたのですから、ガッカリした人は多いかもしれません。ただ、本当にガッカリな製品なのかというと......初代と同じサイズではなかったことを除けば、iPhone史上もっともお買い得な端末なのかな、というのが、第一印象でした。
"廉価版"ではなく"お買い得版"でした
第2世代iPhone SEは、このところ日本でのApple製品のドル換算価格が下がっていることもあって、4万4800円(税別)〜というお値段。久々に5万円を大きく下回る価格に設定されました。
確かに4インチiPhoneのフォルムとは似ても似つかない、というよりも、前面ベゼルが黒で統一されていることとゴールドモデルがないことを除けば、iPhone 8とまったく同じ姿をしています。ちなみに全面ガラスの曲面処理も同じとのことで、保護ガラスもカバーもすべてiPhone 8用がそのまま使えます。
しかしiPhone 8を少しリフレッシュしただけの製品かといえば、そうではありません。
18Wの高速充電器に対応し、プロセッサには最新のA13 Bionic。カメラはシングルではあるものの、iPhone XRで導入されたNeural Engineを用いたポートレイトモード(ですがA13 Bionicなのでもっと精度が高いと思われます)もありつつ、iPhone 11世代のImage Fusionやセマンティックレンダリングなどが導入され、同等の画質を実現しています。
搭載されるモデムも最新の高速かつ幅広いバンドをサポートしており、バッテリー切れでも利用可能な予備電源付きのApple Payにも対応。Face IDに関連した機能は使えませんが、その体験レベルはiPhone 11クラスなんですよね。
......と、そんなことは、もうみんな知っているか(汗)
iPhone SEの2世代目は、初代のコンパクトさからすると期待外れと思うかもしれませんが、しかし、これだけの内容を詰め込んで、さらに4万4800円からという価格を考えれば納得できるものではないでしょうかね。
"価格面"では間違いなく期待に応えている
ところで昨年、もっとも多く売れていたiPhoneは8でした。いわゆる型落ちのままの販売でしたが、それだけの魅力があったからです。その魅力とは、およそ5万円で購入できるiPhoneがこれだけだったから。iPhoneは操作性もよく、買い替え時の引継ぎも簡単。過去に購入したアプリのことも考えたなら、一度、iPhoneを使い始めると次もiPhoneと誰もが思います。
しかし、かつては5万円以下で購入できていたiPhoneも世代を重ねるに従って価格が上がり、iPhone 6以降は上昇の一途。iPhone 11 Proはもっとも低価格なモデルでも10万円を超えます。買い換えようかなと思うタイミングで手頃なiPhoneは......となると、8以外に選択肢はありませんでした。とはいえ、年落ちとなれば体験レベルは大きく下がります。
最新機能に興味がない、単に今まで使ってきたiPhoneのアップデート版が必要なだけだという人にとって、ProではないiPhone 11の7万4800円からという価格は高すぎます。そうした意味で、第2世代iPhone SEは「iPhoneユーザーが最新iPhoneに買い換えることができない」現状に、一石を投じる存在だと言えるでしょう。
その一方で、これだけの満足度を持つ製品を投入してしまって、Appleさん、次のiPhoneは売れなくなりません? と、余計な心配もしてしまいますよね。
でもおそらく、きちんとした差別化ができる自信があるから、iPhone SEの性能をここまで高く設定できたのでしょう。
俺たちの期待に応えてはいると思う理由
ここからは僕の推測もありますが、今回の製品はAppleなりにニーズに応えた結果だったと感じています。
4インチのボディを! と声高な論調は、当面おさまらないかもしれません。
しかし、単一の設計で世界中のキャリアに対応できるアンテナ設計などは、ある程度のボディサイズがなければ実現できないでしょう。
要求が大きくなる中、スマートフォンに求められるプロセッサパワーも考慮するなら、ある程度の放熱性能が必要となり、そこにはボディの大きさが必要となる場合もあります。いろいろな意味で、4インチiPhoneが成立する時代は過ぎ去ったのだと思いました。
一方でベーシックなiPhoneが欲しいという人にとって第2世代iPhone SEは、間違いなくコストパフォーマンスがよく、長く愛用できる製品です。それに、最新のiPhoneが欲しいという人たちにとってみれば、これだけ売れ筋ど真ん中を出したのだから、"年末にはかなりスゴイのが出るかも"という期待感を持たせる発表だったと言えるのかもしれません。
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2020-04-15 23:25:31Z
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