米Appleは4月16日(日本時間)、iPhoneの新モデル「iPhone SE」(第2世代)を発表した。日本などで17日から予約を受け付け、24日に発売する。2016年3月に発表した「iPhone SE」の後継機種で、「iPhone 8」とほぼ同じ筐体を採用した。旧iPhone SEやiPhone 8と比べながら、注目ポイントを紹介していく。
体は“8”、頭は“11”、旧SEの面影はなし
ハードウェアはほぼ“8”
第2世代iPhone SE(以降、新SEと書く)のスペックを見てみると、見た目やサイズなど、チップセット以外のハードウェアがほとんどiPhone 8と同じであることに気付く。筐体サイズと重量は全く同じで、画面サイズも同じ4.7インチ。1334×750ピクセルのIPS液晶ディスプレイを採用し、生体認証はTouch ID、防水性能はIP67(水深1mで最大30分間浸水しない)というのも全く同じだ。
ストレージを見ていくと、iPhone 8は当初64GBと256GBの2モデルを用意した後に、256GBモデルを終了し、代わりに128GBモデルを販売したが、新SEでは初めから64GB、128GB、256GBの3モデルを用意した。
カメラ性能もハードウェア面はiPhone 8とほぼ同じといえそうだ。アウトカメラは1200万画素/F1.8の単眼仕様。インカメラは700万画素/F2.2。
バッテリー駆動時間は「iPhone 8とほぼ同じ」(Apple)としている。ただ、携帯電話のバッテリー駆動時間の目安は連続通話時間が指標の一つとして使われるのが一般的だが、Appleは新SEの連続通話時間を公表していない。ビデオ再生(最大13時間)やオーディオ再生(最大40時間)など2機種で変わらない項目もあるが、項目名が正確に同じではないため、スペック表からの比較は難しい。
筐体のカラーは一新しており、iPhone 8や旧SEとも異なるブラック、ホワイト、(PRODUCT)REDの3色を用意した。いずれのカラーも、フロントパネルは全てブラックに統一している。
チップセットは「iPhone 11」と同じ「A13 Bionic」
新SEとiPhone 8で決定的に異なるのはチップセットだ。新SEは19年9月に発表されたフラグシップモデル「iPhone 11」シリーズと同じ「A13 Bionic」を搭載している。このため、処理速度や通信面がアップデートされた。
A13 Bionicは、iPhone 8が搭載している「A11 Bionic」に比べてCPUの処理速度が最大1.4倍速く、GPUの描画性能が最大2倍速い、と同社は説明している。
チップセットには通信モジュールも含まれるため、LTEやWi-Fiに進化が見られる。LTEは2×2 MIMOに対応したことでギガビット級の速度で通信できるとしている。Wi-Fiは次世代規格「Wi-Fi 6」(IEEE 802.11ax)に対応した。また、SIMスロットは物理カードの他にQRコードの読み取りでインストールできる「eSIM」に対応したことでデュアルSIMに対応した。
チップセットの性能向上に伴い、カメラのソフトウェアに機能が追加されている。新SEのアウトカメラでは静止画撮影時に「スタジオ照明」や「ステージ照明」など6つのエフェクトを使える「ポートレートライティング」機能を利用できる。動画撮影時には、フレームレートを30fpsに落とす代わりに高いコントラスト環境で白飛びや黒つぶれを起こしにくい「拡張ダイナミックレンジ」撮影ができる。
旧SEの面影はなし 新SEは「Touch IDが使える最新処理性能」モデル
新SEはiPhone 8のスペックを色濃く受け継ぐため、命名規則上の従来モデルである旧SEとの類似点はほとんどない。
旧SEは4.0インチのIPS液晶ディスプレイを採用し、重量は113gと、新SEやiPhone 8に比べて小型軽量だ。チップセットは「A9」で、Appleによれば「A13 Bionicの方がCPUの処理速度が最大2.4倍速く、GPUの描画速度が最大4倍速い」。
アウトカメラの画素数は1200万画素で同じだが、絞り値は旧SEがF2.2、新SEがF1.8で新SEの方が明るい。
Touch ID付きホームボタンを採用している点も同じだが、旧SEは物理的に押し込めるホームボタンだったのに対し、新SEは物理的には押し込めないがバイブレーションで押し込んだ感覚を得られる「触覚フィードバック」方式だ。
旧SEはイヤフォンジャックを搭載していたが、新SEはiPhone 8同様にイヤフォンジャック非搭載となる。
まとめると、新SEは旧SEに比べて大きく重くなったが、Touch ID(指紋認証)を保持しつつフラグシップモデルに近い処理性能を獲得したモデルだといっていいだろう。
3モデルの価格比較 新SEは「今までで最も安いiPhone」
新SEの価格は64GBモデルが4万4800円、128GBモデルが4万9800円、256GBモデルが6万800円(全て税別、直販価格)。新SEで最も容量が小さい64GBモデルは、旧SEの32GBモデルの登場時の価格と同じで、旧SEの64GBモデルよりも安い。旧SEで最も容量が大きかった128GBモデルは5万5800円と、新SEの128GBモデルよりも高かった。
iPhone 8は新SEと同じく64・128・256GBモデルを用意していた(128GBは途中で販売終了)が、価格改定で値下げされた後でもそれぞれ5万2800円、5万7800円、8万4800円と、新SEよりも高かった。なお、iPhone 8は新SEの登場に伴い全モデルが販売終了となった。旧SEはそれより前に販売終了となっている。
旧SEの価格改定を含めれば32GBモデルの3万9800円が新SEよりも安いが、新SEに32GBモデルはない。新旧で共通する容量で比べると新SEの方が安い。新SEは、Appleが日本国内でSIMロックフリーとして販売するモデル(※)としては最も廉価なモデルだった旧SEを下回る構成で、「今までで最も安いiPhone」といっても過言ではなさそうだ。
※SIMロックフリーモデルの販売が日本で始まったのは「iPhone 6」からで、それ以前にはソフトバンクが「iPhone 4/4S」の16GBモデルを4万6080円(税込)で販売していたが、通信契約が必要だった。米国でAppleが販売していたSIMロックフリー版iPhone 4/4Sの16GBモデルの価格は649ドル。
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2020-04-15 18:20:00Z
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