Rabu, 22 April 2020

NY原油、一時30%高 追加減産期待やトランプ氏発言で - 日本経済新聞

【ニューヨーク=宮本岳則】ニューヨーク原油先物市場は不安定な値動きが続いている。指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の6月物は22日、急反発で始まり、1バレル16ドル台を一時回復した。前日比の上昇率は30%を超えた。追加減産への期待に加え、トランプ米大統領のイランに対する警告で、中東情勢が緊迫する可能性が意識された。買い手不在のなか、思惑で価格が動きやすくなっている。

米オクラホマ州クッシングの原油貯蔵基地=ロイター

原油先物価格は今週に入って乱高下が続く。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で20日、WTIの5月物が史上初のマイナス価格をつけた。21日も6月物が一時、1バレル6ドル台と、前日の約3分の1の価格へ急落した。新型コロナウイルスまん延による経済活動の停滞で、世界的に原油需要が落ち込んでいる。貯蔵能力の限界が近いとされ、先物売りが膨らんだ。

買い手不在のなか、投機筋の売買で価格が動きやすくなっている。買い戻し材料の1つにされていたのは、追加減産の可能性だ。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」の一部石油相らは21日、対応を協議した。大規模な協調減産で13日に合意したばかりだが、早くも追加減産の圧力が高まった。サウジアラビアは「市場安定のためロシアと協力し、今後数年にわたる減産を実行する」と述べ、追加策を講じる用意があると表明した。

トランプ大統領の発言も投機筋の買い戻しを誘ったようだ。22日のツイッター上での書き込みで「米艦船が海上でイランの小型艦から嫌がらせを受けた場合にはその全ての小型艦を撃沈し破壊するよう米海軍に指示した」と述べた。

米イランの対立など中東情勢の緊迫は供給制限につながり、買い戻しの材料にされやすい。株式市場でも原油先物の下げ止まりを受けて、投資家のリスク回避姿勢が和らいだ。ダウ工業株30種平均は反発で始まり、上げ幅は一時300ドルを超えた。

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2020-04-22 15:07:25Z
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