[東京 23日 ロイター] - 新興株市場が活況だ。東証マザーズや日経ジャスダック平均は、日経平均など大型株を上回るリバウンド率となっている。個人投資家の参加による出来高の増加が大きな原動力だが、テレワーク(在宅勤務)の増加を背景とした取引増加や、新規上場(IPO)の中止による既存銘柄への資金シフトが影響しているとの指摘もある。
<ネット証券の口座新設が過去最多>
東証マザーズ指数.MTHRは、3月13日に付けた安値から23日終値までに40%上昇した。日経平均.N225の3月19日の安値からの上昇率19%を大きく上回っている。商いも増えており、23日時点での4月平均の出来高は9774万株、売買代金1143億円となり、IPOが多かった昨年12月並みとなっている。
原動力は個人投資家の参戦だ。東証のデータによると、23日に発表された前週の主体別売買動向では、個人投資家による日本の現物株と先物合計の売買は103億円の買い越しとなった。個人投資家の取引は合計で5.7兆円となり、全体に占める比率では24.3%と、海外勢の取引が減少する年末年始を除くと、2018年1月以来の水準に上昇している。
ネット証券での新規口座数も急増している。SBI証券と楽天証券では、ともに3月の新規口座開設数が月間で過去最多となった。
3月下旬にSBI証券の口座を開設した福島県福島市の会社員の女性(25)は「3月中旬に世界同時株安が起きていることをニュースで知った。買うのは今がチャンスと思い、手続きが簡単なネット証券を選んだ」と話す。
そのほか、テレワークを取り入れた企業の従業員などを中心に、休眠口座を再開させる動きもみられている。「テレワークで家にいる時間が増えたため、昼間の取引に積極的に参加できるようになった。個人投資家好みの銘柄が買われている可能性がある」(ストラテジスト)という。
「個人投資家好み」として物色されている銘柄としては、フードデリバリー関連の出前館(2484.T)、オンライン診療システムなどを手掛けるメドレー(4480.T)、オンライン法律相談サービスやウェブ完結型クラウド契約サービス「クラウドサイン」を提供する弁護士ドットコム(6027.T)、クラウドの導入支援を手掛けるサーバーワークス(4434.T)などが挙げられている。「新型コロナの影響でプラス効果が出そうな企業が中心」(国内証券)という。
<直近IPO銘柄が活況>
新興株活況のもう1つの要因として、ささやかれているのがIPOの中止だ。
新型コロナの感染拡大による景気悪化や環境変化などを理由に、IPOを中止する企業が増えており、東証における4月のIPO中止件数は23日時点で14件。ITバブル崩壊後の2001年10月の13社を上回り、ブックビルディング制度導入以降で月間最多となった。
証券ジャパン・調査情報部次長の野坂晃一氏は、「マザーズなど新興株市場は調整が早かっただけに、回復も早くなっている面もあるが、IPO銘柄を購入するはずだった資金が既存銘柄に流れ込んでいるのではないか」との見方を示す。
IPO中止で資金が流れているとみられているのが直近IPO銘柄だ。サイバーセキュリティクラウド4493.T、NexTone7094.T、松屋アールアンドディ7317.T、関通9326.T、ミクリード7687.Tなどが活況となっている。
<冷静な声も>
ただ一部では冷静な声も聞かれる。東洋証券の日本株ストラテジスト、大塚竜太氏は「活況というよりは、見直しが入ったと考えた方がいい。活況と言えるほど株価はまだ回復していない」と指摘する。
また、あかつき証券の投資調査部長、藤井知明氏は「日経平均がもみあいを継続する中、個人の資金が新興株へ向かっていたのが20日までの構造。原油価格の暴落といった材料が発生し、東証1部でリスクオフムードが継続するとなると、さすがに新興株も売られる」との見方を示している。
(編集:伊賀大記、青山敦子)
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2020-04-23 12:07:23Z
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