11月28日、政府の共通クラウド基盤「ガバメントクラウド」(政府クラウドとも)に、初めて日本企業のサービスが採択された。選ばれたのは、さくらインターネットの「さくらのクラウド」。国産サービスがようやく採用されたとあって、XやGoogleの検索トレンドに「さくらインターネット」が入るなど、SNSも大いににぎわっている。
ただ、そもそも「ガバメントクラウド」という施策は、ITインフラという目に見えにくい話題なこともあって、まだ理解が進んでいないのが現状だ。そこで本記事では、ガバメントクラウドの基礎知識を整理。さくらインターネットの採択がもたらす影響を考察する。
まず理解したい「自治体システム標準化」
ガバメントクラウドを理解するには、まず「自治体システム標準化」の取り組みを把握しておく必要がある。自治体システム標準化とは、複数の民間事業者が一定の基準に沿った業務用アプリを開発し、自治体が状況に合わせて導入する取り組みを指す。
自治体は共通化された業務用アプリを使うことになるため、既存業務の見直しが必要になる。共通化の対象として定められている業務は住民基本台帳、国民年金、介護保険の事務など20種類。そして、この共通化された業務アプリの提供基盤になるのがガバメントクラウドというわけだ。
ガバメントクラウドも一定の基準を満たすものが選ばれている。さくら以外では、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud、Oracle Cloud Infrastructureの4種類。自治体はこれまで使っていたオンプレミスの基盤などから、いずれかに移行することになる。移行の期限は、原則として2026年3月までだ。
デジタル庁は一連の取り組みを通して、行政サービスの改善、自治体の人的・財政的な負担削減、データの連携性向上やベンダーロックインの解消を見込む。つまり「一定の条件を満たしたインフラに」「一定の条件を満たした業務アプリ」を乗せて使うことで、全部の自治体がなるべく同じ仕組みで働けるようにし、コストやリソースを最適化する施策──といえる。
ただ、ガバメントクラウドは自治体システム標準化だけのためにあるのではなく、官公庁なども利用する場合がある。例えば、デジタル庁はWebサービスの提供にガバメントクラウドを使う可能性があるとしている。農林水産省は農業研究に関する情報公開システム「アグリサーチャー」の基盤をオンプレミスからガバメントクラウドに移行している。
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2023-11-28 04:59:00Z
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