三井不動産は26日までに、東京ドームに対し、株式公開買い付け(TOB)を実施する方向で最終調整に入った。取締役会の賛同を前提とした友好的な買収となる。月内にも発表する。東京ドームを巡っては、筆頭株主のヘッジファンドが長岡勤社長の解任を要求するなど対立が先鋭化していた。
複数の関係者が匿名を条件に明らかにした。三井不は単独買収ではなく、ほかの出資者との共同買収とする可能性もある。東京ドームの時価総額は約860億円で、プレミアム(上乗せ幅)を加味すると1000億円規模の買収になる見通しだ。
三井不に電話や電子メールで連絡を試みたが、回答を得られていない。東京ドームは営業時間外のため連絡が取れていない。
社長解任を要求しているのは、香港のヘッジファンド、オアシス・マネジメント。東京ドームに対し、10月に長岡社長ら取締役3人の解任を議題とする臨時株主総会の開催を求める書簡を送付、対立が表面化した。ブルームバーグのデータによると、オアシスは同社株式の9.61%を保有する筆頭株主。
東京ドームがオアシスへの対抗策を模索するなかで、三井不が友好的買収者(ホワイトナイト)として名乗りを上げた格好だ。
東京ドーム側は10月19日の発表資料で「オアシスとの建設的な対話を拒んできたという認識はない」とコメントしていた。オアシス創業者で最高投資責任者(CIO)のセス・フィッシャー氏は同22日のインタビューで「われわれは一緒に会社を良くしたいと思いさまざまな提案をしているが、現経営陣が示した改善策は小規模な上に時間もかかり過ぎる」と批判していた。
東京ドームの臨時株主総会は12月17日に都内で開催される予定。
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2020-11-26 11:13:00Z
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