武田良太総務大臣が、携帯電話の料金プランがメインブランドで値下げされないことを批判したことに対し、KDDIの高橋誠社長は「従来の方針と矛盾している」と批判しました。これに武田総務大臣は「非常にがっかりした」と憤慨、消費者庁と連携して指導する構えです。
新たにサブブランドを設けて新料金プランを発表すると報じられていたNTTドコモは、計画の修正を余儀なくされる可能性があります。
KDDI高橋社長「すぐには動かない」
KDDIとソフトバンクがそれぞれのサブブランドであるUQ mobile、Y!mobileから新料金プランを発表したことに対し、武田総務大臣は11月20日の記者会見で「メインブランドで値下げしないと意味がない」と強い調子で批判しました。
武田総務大臣の発言に対して、KDDIの高橋社長は日本経済新聞のインタビューに対し、メインブランドで値下げすれば顧客の流動性が失われ、ユーザーの流動性を高める方針だった政府の方針と矛盾している、と批判しています。
高橋社長は、NTTドコモの動きを見て対応する考えを示したうえで、「国に携帯料金を決める権利はない」とも反論しています。
また、通信各社から総務省に申し入れを行なったNTTによるNTTドコモの完全子会社化について、5Gの普及に重要な光ファイバー設備で約75%のシェアを握るNTT東西が、自社グループに優位な条件を決める懸念がある、とも語っています。
武田総務大臣「消費者庁と連携して指導する」
武田総務大臣は11月27日の記者会見で、KDDI高橋社長の発言について記者から意見を求められると、「非常にがっかりした」と語気を強めました。
武田大臣は、メインブランドからサブブランドに移行する利用者が少ない理由は、移行の手続きが複雑で、手数料(違約金を含む)として15,500円の費用が必要なのが原因として、消費者庁と連携して指導する考えだ、と語りました。
料金の高いメインブランドから安いサブブランドへの移行は、高い料金と複雑な手続きという障壁があるのに対し、サブブランドからメインブランドへの移行を優遇するのはユーザーの囲い込みに当たる、と指摘し「公共性というものを考えて欲しい」と強い口調で批判しています。
また、大手キャリア契約者の42.8%が月間20GB以上のプランを契約しているが、実際に20GB以上使っているユーザーは11.3%しかおらず、多くのユーザーは少量しか使っていないことを「無用な部分が料金に乗っている」「国民にとって制度をわかりにくくしている」と批判したうえで、国民に対して自分の携帯料金の実態を見つめ直すよう求めています。
武田大臣の発言でドコモの「新ブランドで新プラン」は頓挫?
最大手のNTTドコモは、NTTによる完全子会社化に向けた株式公開買い付け(TOB)期間明けに、新ブランドを立ち上げ、12月にも新料金プランを発表すると報じられてきました。
NTTドコモも、KDDIとソフトバンクのように新たにサブブランドを設けて新プランを提供すると報道されていましたが、武田大臣のこの発言のあとにサブブランドからの新料金プランを出すのは困難でしょう。
総務省の目指す方針から離れていく総務大臣
もし、最大手のNTTドコモが武田総務大臣の意向を汲んで、UQ mobileやY!mobileと同等の新料金プランをメインブランドから発表すれば、KDDIとソフトバンクも対抗したプランを発表すると予想されます。
そうすると、全契約者の8割以上を占める3大キャリアの利用者は短期的には満足し、他キャリアやMVNOに乗り換えるユーザーはいなくなるでしょう。
しかし、それは結果的に、総務省が目指してきた「ユーザーの流動性を高めることで、競争を通じた携帯料金を値下げする」という計画に逆行することとなります。
後半では用意したフリップを叩きながら、約8分半にわたって熱弁を振るう武田大臣の様子は、総務省が公開した以下の動画で見ることができます。
Source:日本経済新聞, 総務省
(hato)
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2020-11-27 11:01:00Z
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