欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、ユーロ圏経済は2020年10-12月(第4四半期)に恐らく縮小したと語った。ユーロ圏がリセッション(景気後退)の二番底に向かっていることを意味する。
総裁は「第4四半期の縮小は第1四半期に流れ込むだろう」とも述べた。新たな変異種を含む新型コロナウイルスとの闘いで政府が旅行や娯楽、必須以外の店舗の営業制限を強化する中で、1-3月(第1四半期)もマイナス成長になるとの予想が増えている。
ラガルド総裁は政策決定後のバーチャル記者会見で、より深い議論は最新の経済予測が準備され、危機の展開がより明瞭になる3月に行われる見込みだと述べた。
ECB、金融緩和措置を現状維持-新型コロナ対策の制限長期化でも
「ユーロ圏の成長見通しを取り巻くリスクは依然として下方向だが、以前ほど顕著ではない」として、昨年12月のワクチン接種開始が新型コロナ危機の解決への自信を強めると指摘。
ワクチン接種開始や欧州連合(EU)の復興基金の承認、製造業の回復、米国の政治的不透明の解消などプラスの要素を列挙した。
6週間前に公表した今年3.9%のユーロ圏経済成長見通しについては「おおむね妥当」との認識を示した。昨年第4四半期の成長率は今月末ごろに発表される。
総裁は金融環境を現在の水準に維持することができる限り、PEPP購入枠を「全額使用する必要はない」と繰り返した。ブルームバーグの調査に答えたエコノミストの大半は、最終的に全額が使用されると予想。購入枠の再拡大は必要ないと見込まれている。
政策委員会メンバーは為替レートについて協議しなかったと、事情に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにした。総裁は、ユーロの強さを「非常に注意深く」見守っていると述べた。
関係者によると当局者らはむしろ、より長期的な政策手段の選択肢を協議し、PEPPを従来の債券購入プログラムと合体させる可能性やイールドカーブコントロールなどが議論に上ったという。
会合のこの部分は、インフレ目標や気候変動への対応などを含む広範な戦略見直しの一環として話し合われたと、関係者が述べた。ECB報道官はコメントを控えた。
総裁は金融政策による景気支援は必要な限り継続されるとした上で、政府支出も続ける必要があると強調した。
ただ、「できる限り的を絞り、短期的なものとする」よう呼び掛け、「われわれは皆、2021年中の回復を期待している。恐らくは上期よりも下期になるだろう」と語った。
原題:Lagarde Signals New Recession Even as ECB Holds Stimulus Steady、Lagarde Says Euro-Zone Economy Shrank at End of Last Year (1)(抜粋)
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2021-01-21 15:56:00Z
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