日立製作所は31日、米システム開発会社のグローバルロジックを85億ドル(約9180億円)で買収すると発表した。同社にとって、2020年のスイス重電大手ABBの送配電事業の買収を上回る過去最大の規模。
発表によると、既存の株主から全株式を取得し日立米国子会社の日立グローバルデジタルホールディングスの傘下に置く。規制当局の承認などを前提に7月末までに買収を完了する予定だという。
グローバルロジックのウェブサイトによると、同社は2000年に創立。世界14カ国で2万人超の従業員を抱えており、パナソニックやスウェーデンのボルボなど400社超の顧客を持つ。日立は買収を通じてグローバルロジックの顧客基盤を獲得し、中核事業として進めているIoTプラットフォーム「ルマーダ」のグローバル展開強化を狙う。
グローバルロジックの株式は、カナダ年金制度投資委員会(CPPIB)とスイス拠点の投資ファンド、パートナーズ・グループがそれぞれ約45%ずつ、残り約10%を同社の経営陣などが保有している。
買収については日本経済新聞電子版が先に報じていた。報道を受けて31日の日立の株価終値は前日比7.3%安の5004円と、終値ベースで昨年3月9日(8.4%)以降で最大の下落率となった。
事業の再編
日立はインフラやルマーダとの親和性が高いIT分野に経営資源を集中させるグループの再編を進めており、20年にはABBから約7400億円で送配電事業を買収した。一方で、非中核事業の売却を進めており、20年に子会社だった日立化成の全株式を約9641億円で昭和電工に売却したほか、日立金属の売却も進めている。
発表資料によると、グローバルロジックの企業価値に対する2021年の調整後EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)予想の倍率は約37倍。また、グローバルロジックの有利子負債の返済分を含めた買収総額は96億ドルになる。買収による日立の22年3月期の業績への影響については、確定し次第速やかに明らかにするとした。
同社の東原敏昭社長兼最高経営責任者(CEO)が同日午後4時半に今回の買収についてオンラインで会見を開く。
ブルームバーグ・インテリジェンスの北浦岳志シニアアナリストは、ルマーダ関連事業に注力する中で事業の買収も検討するという話はこれまでに出ており、「大きなサプライズはない」との見解を示した。
その上で、巨額の買収額について「日立金属売却の話もあるため、全体の子会社整理の中で新たなルマーダという成長戦略を掲げるところに投資するのはそれほど違和感のない話」と述べた。
(詳細を追加して記事を更新します)
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2021-03-31 06:14:01Z
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