JR西日本は16日、岡山県と島根県を結ぶ特急「やくも」に新型車両(273系)を2024年度に導入すると発表した。1982年から走り、老朽化が進む現行車両(381系)は同年度中に引退する。これで国鉄時代に導入された「国鉄型特急」はJR西で全廃され、本州の路線からは姿を消すことになる。
JR西によると、やくもの運転開始は72年。岡山―出雲市間の220・7キロを最速2時間57分で結ぶ。1日に上下線30本が走り、新型コロナウイルス禍前は4000人の乗客を運んだ。
ルートは山岳部を縦断するためカーブが多く、曲線でも高速走行が可能な「振り子式」の車両構造を採用する。カーブに合わせて車体を内側に傾けて重心を安定させるものだが、傾くタイミングが遅いため不快感を覚える乗客もいる。新型車両でも振り子方式を継続するが、カーブのデータを読み込ませた最新の制御装置を搭載し、適切なタイミングで車両を傾かせて乗り心地を向上させるという。
車両デザインは未定。セキュリティー向上のため車内には防犯カメラを設ける。11編成(各4両)を導入予定で、費用は約160億円と見込む。
また、やくもの運転開始50周年を記念し、国鉄カラーのベージュとえんじ色に塗られた車両を381系に復活させる。全11編成のうち1編成で、3月19日から毎日運転する。【高橋昌紀】
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2022-02-16 05:00:00Z
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