【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを見送り、金融政策の現状維持を決めた。会合後に公表した声明文では「経済活動は底堅いが、インフレ率は目標の2%を下回っている」と指摘し、物価の下振れに警戒感をにじませた。先行きの金融政策は「様子見する」として、利上げ停止が長引く可能性を示唆した。
1日の会合では、短期金利の指標であるフェデラルファンド金利(FF金利)の誘導目標を、投票メンバー10人の全員一致で年2.25~2.50%のまま据え置いた。2018年12月に利上げして以降は、19年に入って3会合連続で政策金利を据え置いている。3月の会合では「19年中は利上げの見送りが妥当」との判断も示し、利上げサイクルを事実上停止した。
もっとも、FRBの利上げを批判してきたトランプ大統領は「1%程度の利下げ」を公然と要求し、先物市場も6割の確率で「FRBは年内に利下げに転じる」と織り込み始めている。会合後に記者会見したパウエル議長は「金融政策を(利上げ・利下げの)どちらかに動かす強い証拠はない」と述べ、早期の利下げ観測をひとまず打ち消した。
米経済は1~3月期の実質成長率が前期比年率換算で3.2%に高まり、FOMCも1日の声明文で「経済活動は底堅く伸びた」と指摘した。ただ、成長率の上振れ要因は輸入の減少や在庫の積み増しで、FOMCは「家計支出や企業の設備投資は成長が鈍化した」との判断も示した。
物価動向は「インフレ率が低下して、目標の2%を下回っている」と警戒感をにじませた。FRBが重視する個人消費支出(PCE)物価指数は、5カ月連続で上昇率が2%を下回っている。パウエル議長は「物価停滞は一時的だろう」との見方を示したものの、利上げの再開は一段と困難になっている。
そのためFOMCは声明文で、先行きの金融政策について「海外経済や市場動向、物価の停滞を勘案して、政策判断は様子見する(will be patient)」との方針を示した。3月の前回会合時の文言をそのまま踏襲しており、当面は金融政策の変更を見送る考えだ。
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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44404480S9A500C1000000/
2019-05-01 18:02:00Z
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