日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告(65)が保釈中にレバノンに逃亡した問題で、レバノン法務省は2日、国際刑事警察機構(ICPO)から国際手配書を受け取ったことを認めた。詳細な内容は不明だが、前会長の身柄拘束と、日本への引き渡しを求める「国際逮捕手配」の内容とみられる。
レバノンのセルハン暫定法相はAP通信に対し、前会長への事情聴取自体は実施する可能性を示唆したが、「合法的なパスポートで入国している」と述べ、日本への身柄引き渡しには応じない考えを示した。レバノン政府はこれまで、公式には前会長の入国に「関与」したことを否定しているが、前会長を擁護する姿勢は徐々に鮮明になっている。
一方、前会長が逃亡を決意したきっかけは、裁判のうち一つが、2021年4月まで延期される見通しと知ったことだったという。ロイター通信が前会長に近い複数の関係者の話として伝えた。
裁判長期化に加え、妻との面会にも裁判所の許可が必要な「接触制限」がかけられており、前会長はこれらに不満を持っていたとみられる。また、日本の検察当局が12月上旬、米国にいた前会長の娘と息子から事情聴取したと知り、「家族への圧力」を感じ始めたという。実際に聴取が行われたかは不明だ。【ベイルート篠田航一】
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2020-01-03 12:44:00Z
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