Kamis, 11 Maret 2021

「韓国のAmazon」米上場、時価総額9兆円 SBGが株主(写真=AP) - 日本経済新聞

韓国クーパンの上場セレモニー(11日、ニューヨーク証券取引所)=AP

【ニューヨーク=宮本岳則】ソフトバンクグループ(SBG)が筆頭株主の韓国ネット通販大手クーパンは11日、ニューヨーク証券取引所に上場した。終値で計算した時価総額は840億ドル(約9兆円)を超え、海外企業の米新規株式公開(IPO)としては、2014年の中国・アリババ集団以来の大きさとなった。新型コロナウイルス禍でネット通販の利用が世界的に伸びており、投資家の成長期待は高い。

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クーパンの上場初値は1株63.5ドルで、公開価格(35ドル)を81%上回った。投資家の買い意欲は強く、一時69ドルまで上昇する場面があった。終値は49.25ドル。米運用会社ルネサンス・キャピタルのキャスリーン・スミス氏はクーパンについて「成長加速や利益率の改善が見込めるほか、他の電子商取引(EC)関連企業との比較で割高感はない」と指摘する。

米国株式市場では家庭用品通販のウェイフェアの株価が直近1年で約7倍、手芸品などを専門に扱うエッツィーが同4倍となるなど、EC関連銘柄が人気化している。ネット通販はコロナ下の外出制限で急速に普及し、感染収束後も消費者の間で定着すると期待されている。クーパンもこうした流れに乗り、投資マネーをひきつけた。

上場時の資金調達額は35億ドル。米調査会社ディールロジックよると、21年の米IPOとしては最大となった。調達した資金は、在庫管理と梱包・出荷を担う「フルフィルメントセンター」の整備にあてるほか、料理宅配「クーパンイーツ」や動画配信サービスなど新規事業に振り向ける。

クーパンは10年に創業した。ECの巨人、米アマゾン・ドット・コムになぞらえて「韓国のアマゾン」とも呼ばれる。国内に170カ所以上の物流拠点を設けてスピード配送を武器に急成長している。20年の売上高は前年比約2倍の120億ドルだった。物流・配送を自前で手掛けるため先行投資が重く、最終損益は5億ドルの赤字と、創業以来、赤字基調が続いている。

クーパンは配達の速さが強み(18年6月、韓国ソウル)=ロイター

クーパンの筆頭株主はSBG傘下のソフトバンク・ビジョン・ファンドだ。米証券取引委員会(SEC)への提出書類によると保有比率は発行済み株式数の3割。保有株の価値は終値で換算すると約280億ドルとなる。ビジョン・ファンドからクーパンへの出資額は計30億ドルで、上場によって多額の含み益が発生した。英金融サービス会社グリーンシル・キャピタルへの投資失敗を「帳消し」にする成功案件だ。

米IPO市場は活況が続く。米ディールロジックによると21年1~3月期の調達総額は1020億ドルを超え、四半期としてすでに過去最高を更新した。有力企業のIPOに加え、特別買収目的会社「SPAC」の上場が相次いでいるためだ。SPACは有力企業との合併のみを目的とした上場会社で、事業を持たない「箱」のような企業だ。カネ余りで資金の受け皿となっている。

SPACとの合併で上場を目指す有力企業は増えている。伝統的なIPOに比べて上場準備期間が短くて済むからだ。株高が続いている間に株式公開を終えたいとのニーズは強く、SPAC経由の上場が選択肢として定着してきた。11日には東南アジアの配車サービス大手グラブ・ホールディングスがSPAC経由の米国上場を検討していると報じられた。世界の取引所間で成長企業の誘致合戦も激しくなりそうだ。

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2021-03-11 21:33:43Z
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