生成人工知能(AI)「Chat(チャット)GPT」を手がける米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が来日し、12日に慶応義塾大学で学生との意見交換会に参加した。同氏は「(AIに)懐疑的な意見があることは理解している」としつつ、「パラダイムシフトは終わっていない」と強調。「AIはさらに賢くなる」と述べ、世界を回ってリーダーと議論を重ねていると明らかにした。
質問に巧みに受け答えする生成AIの登場によって、専門家の間では「雇用が奪われる」との指摘もある。こうした懸念についてアルトマン氏は「現在の(生成AIに関する)予測は間違っている」と反論し、「将来、新しい仕事が生まれる。生産性が向上しても、つくるべきプロダクトはなくならない」との見通しを示した。
今後の開発方針に関する質問に対しては「(安全面との)バランスを取ることが重要だ。(開発が)やや減速するが、安全を担保することが必要だ」と回答した。その上で「(今後開発が期待される)『GPT-5』も、計画通りにいかないかもしれない」と述べた。
慶大三田キャンパス(東京・港)で開かれた意見交換の会場には、学生・教職員ら約800人が集まった。アルトマン氏は会場内の学生らに対し、「あなたたちは幸運な世代だ。(テクノロジーを)心配する必要はなく、なじむことが大切だ」と呼びかけた。
オープンAIが2022年11月にチャットGPTを公開して以降、アルトマン氏が来日したのは2回目とみられる。前回の4月の来日時は岸田文雄首相らと面会し、AIに関する国際的なルールづくりについて意見を交わした。アルトマン氏は5月下旬以降、英国やイスラエル、インドなども訪問し、各国の首脳らに会っている。
生成AIをめぐっては各国で個人データの扱いや著作権保護などをめぐる懸念が広がり、規制を検討する動きが出ている。5月の主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)でも、AIをめぐる国際ルールについて議論が交わされ、G7としての見解が年内にもまとめられる計画だ。
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2023-06-12 06:30:00Z
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