アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は金融政策を決める会合を開き、去年3月に利上げを開始して以降、初めて利上げの見送りを決めました。一方、政策金利の見通しについては年内に2回の利上げが想定される内容となりました。
アメリカの専門家に、FRBの決定への受け止めなどについて聞きました。
話を聞いたのはアメリカの大手銀行の傘下で投資家への助言などを手がける「ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティチュート」のシニア・グローバル・マーケット・ストラテジスト、スコット・レン氏です。
Q.FRBが利上げを見送ったことについて、どう受け止めたか
A.FRBは正しい決断をしたと思う。過去15か月間に政策金利を5%引き上げたあと、利上げが実際に経済にダメージを与えるまでには時間的なずれがあることを私たちは知っている。だからFRBは少し時間をおいて様子を見たいと考えているのだろう。いまから3か月から4か月後に物価上昇率がこれ以上、下がらなければFRBは再び利上げを行うと思う。
Q.正しい決断だという理由は
A.もしFRBが判断を間違えばそれは景気後退を意味する。FRBが利上げに踏み切った場合、ゆるやかな景気後退がより深刻なものになる可能性がある。FRBはここで注意深くあるべきだ。物価上昇率が一段、下がるかどうかを見極めるべきだ。
Q.政策金利の見通し 年内に2回の利上げ想定については
A.これは驚きだった。しかし、FRBが0.25%あるいは0.5%の利上げを行ったとしても世界の終わりではない。問題なのはたとえば政策金利が6%やそれ以上になった場合だ。
Q.7月に予定されている会合についての予想は
A.7月の会合について、金融市場では利上げをかなりの高い確率で織り込んでいる。ただ、7月の会合までには多くの経済データが得られない。私は個人的には、FRBは2か月か3か月分のデータを見たいのではないかと思っている。FRBは利上げまでもう少し待つのではないかと思っている。
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2023-06-15 06:50:07Z
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