【ニューヨーク=中山修志】米石油大手のエクソンモービルが26日開いた定期株主総会で、物言う株主が推薦した取締役候補4人のうち2人が選任された。株主投票で会社推薦の現職取締役が再任を阻まれるのは異例。物言う株主の経営への関与が強まり、エクソンは環境対策やガバナンス(企業統治)の改善で踏み込んだ対応を求められる。
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石油大手を巡っては、オランダの裁判所が26日、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルに大幅な二酸化炭素(CO2)の排出削減を命じる判決を下すなど、世界的に脱炭素の圧力が強まっている。
エクソンが総会後に開示した株主投票の暫定結果によると、現職の取締役12人のうち8人が再任する一方、投資会社「エンジン・ナンバーワン」推薦の少なくとも2人が取締役に加わることが決まった。残り2人は確定していない。エクソンの定款では取締役候補が定員数を上回った場合、株主投票で上位の12人が就任することになっている。
最高経営責任者(CEO)と会長職の分離など他の株主が提案した7件の議案のうち、ロビー活動に関する報告を求めた2件も承認された。
投票結果は投資家のESG(環境・社会・企業統治)重視の姿勢を象徴している。エクソンの総会では、議決権行使助言会社の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が就任が決まった2人を含む3人に賛成票を投じるよう株主に推奨した。米メディアによると、資産運用最大手でエクソン株の約6%を保有する米ブラックロックも賛成票を投じたもようだ。
エンジン・ナンバーワンは「現経営陣の環境対策の甘さが将来の配当をリスクにさらしている」と主張し、取締役の刷新を求めていた。同社が保有するエクソン株は全体の0.02%にすぎないが、多くの株主から賛同を得た。
エクソンの取締役会はエンジン・ナンバーワンが推薦する候補を承認しないよう株主に要請していた。総会直前の23日には1年以内にエネルギーと環境問題の専門家2人を取締役に追加すると株主に書簡を送ったが、聞き入れられなかった。
エクソンのダレン・ウッズCEOは投票結果について「新しい2人の取締役を歓迎し、建設的に協力できることを楽しみにしている」とコメントした。詳細な投票結果と残りの取締役は集計作業が終わり次第開示する。
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2021-05-26 17:47:58Z
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