【ニューヨーク=白岩ひおな、シリコンバレー=白石武志】米アマゾン・ドット・コムは26日、米映画製作大手メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)を買収すると発表した。債務を含む買収総額は84億5000万ドル(約9200億円)。人気スパイ映画「007」シリーズなどの製作で知られるMGMを傘下に収め、2億人を超える有料サービス「プライム」会員向けの動画コンテンツを拡充する。
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MGMは1924年設立の老舗で、「ロッキー」や「ロボコップ」などの映画や「ピンクパンサー」などのテレビ番組を手掛けている。過去にはソニーが出資し業務提携していたが、2010年の経営破綻を経て現在は米ヘッジファンドのアンカレジ・キャピタル・グループなどが株式を保有している。
アマゾンは有料サービス「アマゾンプライム」の会員向けに、「プライム・ビデオ」の名称でインターネット経由の動画配信サービスを提供している。MGMの買収によって同社の手がける人気作品を自社サービス上で配信できるようにして、動画配信市場で競合する米ネットフリックスや米ウォルト・ディズニーに対抗する狙いだ。
プライム・ビデオとアマゾン・スタジオ部門のマイク・ホプキンス上級副社長は声明で「才能あるチームと共に、MGMの知的財産の宝庫を再構築し発展させていく」と述べ、新たなコンテンツ作りに取り組む考えを示した。
「巣ごもり消費」の拡大で動画配信市場は大きく伸びている。ネットフリックスの会員数は2億人を超え、ディズニーの「ディズニー+(プラス)」の会員数も19年秋の参入から1年半足らずで1億人を超えた。
アマゾンを含む3社はコンテンツの制作や獲得に年間100億ドル超を投じるなど、優れたコンテンツの獲得競争も激しさを増す。17日には米通信大手AT&Tがネット動画配信の強化に向け、傘下のメディア事業「ワーナーメディア」を分割してメディア大手の米ディスカバリーと統合すると発表した。
MGMの買収に成功すれば、アマゾンにとって2017年に137億ドルで買収した米食品スーパー、ホールフーズ・マーケットに次ぐ、過去2番目に大きなM&A(合併・買収)となる。ただ、米議会や独禁当局は近年、米IT(情報技術)大手によるM&Aが競争を阻害していないかどうかに関心を強めている。アマゾンにとっては独禁当局による審査が今後のハードルとなりそうだ。
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2021-05-26 12:56:01Z
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