2021年09月23日07時14分
【上海時事】バブルに沸いた中国の不動産業界に倒産の波が押し寄せ始めた。バブル抑え込みを狙った当局の締め付け強化で、資金繰りに行き詰まる開発業者が続出。経営危機に追い込まれた業界大手の中国恒大集団に対しては、世界的な経済危機の火種となる可能性が取り沙汰されている。重大ながら見過ごされてきたリスクを意味する「灰色のサイ」として、金融市場で警戒が高まっている。
恒大の抱える負債は6月末時点で約1兆9700億元(約33兆円)と巨額で、中国の国内総生産(GDP)の約2%にも相当する規模。大半は取引先への買掛金や住宅購入者の前払い金だが、破綻すれば内外に影響が広がるのは避けられない。既に恒大の振出手形が拒否され、下請けの資金繰りがまひし始めたとの話もある。
中国では現状、「金融システムへの波及は当局が全力で阻止する」との見方が大勢だ。ただ、「これだけ信用を失った会社の物件を買いたいという消費者はいない」(上海の40代会社員)との声も聞かれ、恒大が事業を継続できるか先行きは厳しい。
金融緩和の長期化で生じた「カネ余り」で、中国では余剰資金の多くが不動産市場に流入。都市部の住宅保有率は9割超と日米欧の6割強を大きく上回り、一部都市では平均年収に対する住宅価格の倍率が40倍を超え、東京の10倍強と比べても高騰している。
中国の不動産業界が苦境に陥る契機となったのは、昨年8月に当局が導入した「三つのレッドライン」と呼ばれる資金調達総量規制だ。一定基準を満たせない業者は新規借り入れなどが認められなくなり、巨額債務を抱えたままデフォルト(債務不履行)に陥る大手デベロッパーが相次いだ。
「不動産市場は冬の時代を迎える」。中国メディアによると、業界大手・融創中国の孫宏斌会長は9月の決算発表で今後に悲観的な見方を示した。資金繰りに苦しむ業者の間では、保有物件や資産を投げ売りする動きも起きているという。業界全体が苦境に陥る中、金融機関の貸し剥がしの動きが広がることも懸念材料だ。
一方、少子高齢化などで住宅需要も頭打ちの状況だ。2016年に1800万人だった出生数は20年に1200万人へ落ち込み、総人口は来年にも減少に転じるとの見方もある。「人類史上例のないバブル」(東呉証券のエコノミスト)の制御をめぐり、中国政府は難しいかじ取りを迫られている。
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2021-09-22 22:14:00Z
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