東芝が12日、会社を3分割する方針を発表した。企業価値を高め、機動的な経営を実現するのが主な狙いだが、総合電機の看板を下ろすことには社員などの反発も予想される。実行に移すにしても煩雑な作業が待ち受けており、狙い通りの効果をあげ、平成27年の不正会計発覚以来となる迷走に終止符を打てるかは不透明だ。
「会社の価値、株主価値を上げるために最善の選択だった」。12日の記者会見で、東芝の綱川智社長は会社分割に踏み切る理由をそう説明した。解体ではないとも強調した。
同社は以前から、傘下に多くの事業を抱える企業の価値が、事業ごとの価値の合計に比べて過小評価される「コングロマリットディスカウント」の状態にあると指摘されていた。
同社が抱える多様な事業には、半導体のように迅速な判断が必要な事業もあれば、長期的視点が不可欠な事業もある。複数の企業に分け、それぞれ独立して経営した方が経営スピードが速まり、成長もしやすいとする意見は根強い。
同社は株式の非上場化も検討していたが、信用力向上などの上場メリットにこだわってきただけに、会社分割の方が採用しやすかったとみられる。
大企業の会社分割は米国では珍しくなく、9日にはゼネラル・エレクトリック(GE)が3分割を発表したばかり。みずほ証券の田中健士シニアアナリストは「コングロマリットディスカウント縮小につながる1つの手法としてポジティブに評価できる」と話す。
東芝は29年に6千億円の大規模増資を実施し、60社の物言う株主(アクティビスト)を含む外国投資家に株を保有してもらうことで窮地を脱した。しかしその後、多くの株主が企業価値が上がらないことに不満を募らせた。会社分割にはそうした株主に歩み寄った側面があり、賛同を得る可能性は高そうだ。
ただ、実施には今年3月末月時点で約11万7300人いる社員や取引先の理解も必要。綱川氏は「全てのステークホルダー(利害関係者)にとって今回の決断は最善」と強調するが、丁寧な説明が求められる。(井田通人)
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2021-11-12 10:12:50Z
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