日本大学の田中英壽理事長が1億数千万円の所得を隠したとして逮捕された脱税事件で、大学から不正に流出した資金が大阪の医療法人の前理事長の会社に振り込まれた直後に、田中理事長に現金3000万円が提供された疑いがあることが関係者への取材で分かりました。
東京地検特捜部は、大学から流出した資金の一部がリベートとして田中理事長に渡っていた疑いがあるとみて捜査を進めているとみられます。
特捜部の調べに対し、田中理事長は容疑を否認しているということです。
日本大学の理事長の田中英壽容疑者（74）は、大学の付属病院をめぐる背任事件で起訴された大阪市の医療法人の前理事長、籔本雅巳被告（61）らから受け取ったリベートなどを隠し、平成30年と去年、5300万円を脱税した疑いで29日、東京地検特捜部に逮捕され、所得隠しの総額は1億2000万円に上るということです。
背任事件では去年8月、付属病院の建て替え工事をめぐって業務を受注した業者から籔本前理事長のペーパーカンパニーに、実態のないコンサルタント料の名目で2億2000万円が送金されたことが分かっています。
関係者によりますとこの2日後、田中理事長が、都内の焼き肉店で籔本前理事長から紙袋に入った現金3000万円を提供された疑いがあることが新たに分かりました。
籔本前理事長は、その2か月後にも「理事長の再任祝いとして、都内の飲食店で現金3000万円を提供した」と供述しているということですが、田中理事長はいずれも所得として申告していないということです。
特捜部は、大学から流出した資金の一部がリベートとして田中理事長に渡っていた疑いがあるとみて調べを進めているとみられます。
関係者によりますと、田中理事長は特捜部の調べに対して、現金の授受を否定しているということです。
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2021-11-30 07:59:39Z
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