アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は、新型コロナウイルスの危機対応として始めた「量的緩和」の規模を、段階的に縮小する政策転換を決めました。
一方で、パウエル議長は、次の焦点となる利上げについては早期の実施に慎重な姿勢を示しました。
FRBは3日まで開いた会合で、新型コロナの危機対応として去年3月に始めた「量的緩和」の規模を、今月から段階的に縮小する政策転換を決めました。
景気の回復を踏まえた判断で、市場に供給する資金を毎月減らしていき、来年半ばには量的緩和を終える計画です。
今後は、金融緩和のもうひとつの柱であるゼロ金利を解除して利上げに踏み切る時期が焦点で、金融市場では、アメリカで物価上昇が長引いていることから、インフレの加速を防ぐためにFRBが早期に利上げするとの観測が出ています。
これについて、パウエル議長は会合のあとの記者会見で「今は利上げするときではない。雇用環境がさらに改善するのを確認する必要がある」と述べ、慎重な姿勢を示しました。
また、今の物価上昇については「供給網の目詰まりは来年も続き、物価上昇も続くと予想している」としつつ、来年の春以降には物価上昇が落ち着いていくとの見解を示しました。
危機対応からの転換を決めたFRBですが、今後も、景気の安定と物価上昇の抑制を同時に図る難しいかじ取りを迫られそうです。
松野官房長官「世界経済への影響含め動向注視」
松野官房長官は、午前の記者会見で「他国の金融政策についてコメントすることは控えるが、アメリカにおける経済回復の進展や、それに伴う金融政策の変更が新興国の経済運営にどのような影響を与えるかといった観点から、引き続き、日本を含む世界経済への影響を含め動向を注視していきたい」と述べました。
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2021-11-04 01:58:55Z
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