Sabtu, 16 Juli 2022

新型クラウン ワールドプレミア | トヨタ | グローバルニュースルーム - トヨタ自動車

(3)新型クラウン開発について(中嶋プレジデント)

新型クラウンの開発を担当いたしました、ミッドサイズ・ビークルカンパニー プレジデントの中嶋です。

今回のクラウン開発の経緯についてお話させていただきます。

2年と数ヵ月前のことですが、まず私が手掛けたのは、現在走っているクラウンのマイナーチェンジでした。社長の豊田にその企画を見せたとき、こう言われました。

「本当にこれでクラウンが進化出来るのか?マイナーチェンジは飛ばしてもよいので、もっと本気で考えてみないか」。

今思えば、ここから16代目のクラウンの開発がスタートしたと思います。

はじめに、歴代主査の想いに触れ、そもそも「クラウンとは何か?」を徹底的に見つめ直すところから始めました。

そこには、クルマの形や、駆動方式という決まりは何もありませんでした。あったのは、歴代主査の「革新と挑戦」というスピリットでした。私たち自身が、「内向き」に決まりをつくり、自らを動けなくしてしまっていたのです。

同時に、社長就任以降、豊田が言い続けてきた言葉を思い起こしました。

「もっといいクルマをつくろうよ」と「世界一ではなく町いちばんを目指そう」。この2つです。

クラウンがロングセラーであり続けられたのは、歴代主査が常に「町いちばん」で考え、日本のお客様の笑顔を思い浮かべながら、「もっといいクラウン」を目指して、挑戦してきたからだと思いました。

そこから考えを大きく変えました。固定観念にとらわられず、これからのお客様を笑顔にするクラウンを目指そう、と開発を始めたのが、このクロスオーバーです。

ある程度カタチになり、社長の豊田から「これで行こう」とゴーサインが出たと同時に、新しい宿題が出ました。

「セダンも考えてみないか?」

正直、耳を疑いました。一方で、私たちがあのマイナーチェンジの時から、発想を変え、「原点」に戻った今だからこそ、豊田は、セダンをやってみたらどうかと、問いかけているのだと受け止めました。

それならば、この多様性の時代、ハッチバックや、ワゴンも必要だと、4つの異なるモデルを提案した、というのが正直な経緯です。

あらためて4つのクラウンをご紹介いたします。

まずクロスオーバー。このクラウンは、セダンとSUVの融合で、乗り降りしやすく、視点も高く、運転し易いパッケージとしながらも、走りは、新たなハイブリッドシステムとともに、「セダンを超えるセダン」として進化させました。

次にスポーツ。このクラウンは、エモーショナルで創造的な雰囲気を持ち、乗りやすく運転し易いパッケージと共に、俊敏でスポーティーな走りが、お楽しみいただける、新しいカタチのスポーツSUVです。

続いてセダン。このクラウンは、正統派セダンとして、新たなフォーマル表現と共に、上質さ、快適さ、を追求しました。ショーファーニーズにも十分お応えできるモデルです。

最後にエステート。このクラウンは、機能的なSUVとして、大人の雰囲気で、余裕のある走り、アクティブライフを楽しんで頂けるモデルです。後席はフルフラットデッキにもなり、まさしくワゴンとSUVのクロスオーバーとも言えるでしょう。

以上、これら4車種の名前は、すべて統一して「クラウン」です。今回発売のクロスオーバーを振り出しに、これから1年半の期間で順次、世の中に送り出して参ります。

4つのクルマを並行して開発するのは至難の業でした。それを可能にしたのが「カンパニー制」と「TNGA」です。この2つなくして、新型クラウンは実現できなかったと断言できます。

まず一つ目、2016年から始まったカンパニー制です。

それぞれのカンパニーには、担当のクルマに愛着を持ち、また、そのクルマのことを最優先に考える人たちがいます。そして、自分たちの意思で決断し行動することが使命です。

ミッドサイズ・ビークルカンパニーとして、クラウンを一番に考える事ができたこと、また、プレジデントとして、自らの責任と判断で実行できたことが、非常に大きかったと思います。

これまで当たり前だった開発プロセスを見直し、無駄を徹底的にそぎ落とし、リソーセスを確保しなくてはなりませんでした。そのために、例えば、製品企画と開発の各工程を、一つのチームにし、全員がプロであるという意識を高め、従来以上に緊密なコミュニケーションで乗り切りました。

2つ目はToyota New Global Architecture、TNGAです。

もっといいクルマづくりを実現するため、プラットフォームと、パワートレーンを刷新し、一体的に開発することで、基本性能を飛躍的に向上させることを目指し、2012年にその構想を立ち上げました。

10年の時を経て、TNGAも成熟、進化し、その拡がりが、クラウンのシリーズ化を実現させました。

TNGAプラットフォームでは、一目見て、このクルマが欲しいと思っていただけるデザインや、ずっと乗っていたいと思っていただける走り、乗り心地など、クルマの基本性能を高めて参りました。

今回のクラウンでは、更に成熟させ、例えばこの、スポーツ、新開発した専用プラットフォームを用いてタイヤ大径化と共に、居住性とデザインの両立を狙い、造られています。

TNGAパワートレーンでは、低重心化とともに、優れた走行性能と、環境性能を両立させ、ダイレクト&スムースを重点的に開発してきました。

今回さらに進化させ、例えばこの、クロスオーバーでは、エンジンと電気モーターを直結させ、後輪にも大型モーターを搭載し、350馬力、550Nmというトルクフルな走りを実現。加えて、緻密な4輪駆動制御で、車両姿勢のコントロールも行う、新しいハイブリッドシステムも導入しました。

クラウンのコンセプトは「トヨタブランドのフラッグシップ」です。

「カンパニー制」と「TNGA」で、4つのクラウンを並行開発し、それぞれのお客様のフラッグシップに相応しい品質に造り込み、お届けしてまいります。どうぞご期待下さい。ありがとうございました。

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2022-07-16 06:50:54Z
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