パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は2日、金融当局として利上げのペース減速を念頭に置きつつも、インフレ退治に必要なだけ金利を引き上げる用意があることをほぼ疑問の余地がないほど明確にした。
連邦公開市場委員会(FOMC)が4会合連続の0.75ポイント利上げを決めた後の記者会見で、「前回会合以降に入手したデータは、金利の最終的な水準が従来の想定より高くなることを示唆している」と語った。
3月の利上げ開始前に0-0.25%だったフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは、今回の利上げで3.75-4%となった。それでも米経済は異例の底堅さを示している。住宅ローン金利の上昇で住宅市場にはブレーキがかかったものの、インフレ率は約40年ぶりの高水準で高止まりしている。
パウエル議長は「十分に景気抑制的と考えられる金利水準に達するまでには、なお幾分か道のりが残されている」と述べ、金融引き締めキャンペーンはまだ終わっていないと投資家に警告を発した。
さらに、「停止について考えるのは極めて時期尚早」と指摘する一方、「早ければ次回、ないしその次の会合」で利上げのペースを落とすのが適切となるかもしれないと話した。
FOMC声明発表後の30分間に、S&P500種株価指数は一時1%上昇したものの、議長の「時期尚早」発言などを受けて下落に転じ、2日の終値は2.5%安とFOMCの政策決定発表日としては2021年1月以来最悪のパフォーマンスとなった。ブルームバーグのデータによれば、政策決定当日にS&P500種の下げ幅が2回連続で1%を上回るのは08年以来。
米金融政策の予想される軌道に最も敏感な米2年債利回りは声明発表後にいったん低下したが、投資家の間で従来想定よりも高めのターミナルレート(金利の最終到達点)を織り込む動きが広がったことで約6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。
今回の会合でパウエル議長にとって難題だったのは、米金融当局が引き締めキャンペーンの終了に近づいているとの誤った情報を伝えることなく、利上げペース減速に向けたシグナルを発することだった。議長はターミナルレートに近づくにつれて利上げのペースを落とすとする一方で、ターミナルレート自体は9月時点の当局者予測よりも高くなると指摘することで、この課題をクリアした形だ。
議長のこうした発言の結果、今後の焦点は次回の利上げ幅から、政策金利がどこでピークに達して、そうした水準にどの程度とどまるかに移ることになる。
MFSインベストメント・マネジメントのチーフエコノミスト兼ポートフォリオマネジャー、エリック・ワイズマン氏は議長発言について、「今回の会合全体を通じてこれが単一にして最も重要だった。他に知るべきことはない」と話した。
原題:Powell Signals Smaller Rate Hikes Ahead on Path to Higher Peak
Bait-and-Switch Powell Puts Lights Out on Half-Hour Market Party(抜粋)
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2022-11-03 02:15:40Z
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