【NQNニューヨーク=川内資子】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前日比401ドル97セント(1.3%)高の3万2403ドル22セントで終えた。4日発表の10月の米雇用統計は米労働市場の引き締まりを示したが、米金融政策の見通しを変えるほど強くないとの見方から株式が買い直された。ただ、米長期金利の上昇を受けて売りに押される場面もあり、不安定な相場展開だった。
雇用統計で非農業部門の雇用者数は前月比26万1000人増と市場予想(20万5000人増)を上回った。一方、失業率は3.7%と前月(3.5%)から上昇した。米労働市場は依然として力強いものの、「米連邦準備理事会(FRB)による利上げ幅縮小の観測を支える程度には減速した」(Bライリーのアート・ホーガン氏)と受け止められた。ダウ平均は前日までの4日間で800ドル超下げており、株式を買い直す動きもあった。
FRB高官が相次いで目先の利上げ減速に前向きな姿勢を示したのも相場を支えた。ボストン連銀のコリンズ総裁は4日の講演で、「金融政策の焦点は政策金利を迅速に引き上げることから、十分に引き締め的になるような金利の最終的な到達点を決めることに移っている」と述べた。リッチモンド連銀のバーキン総裁も米CNBCのインタビューで利上げペースを緩める可能性に言及した。
ダウ平均は朝方に一時610ドル高まで上げた後、午後に62ドル安まで下げる場面があった。FRBはペースを緩めても利上げ自体は当面続けるとの見方が多い。4日は金融政策の影響を受けやすい2年物国債利回りが2007年以来の水準に上昇し、米長期金利も前日から上昇した。金利上昇時に相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株の一角が売られた。
景気敏感株が買われ、化学のダウや建機のキャタピラーが大きく上げた。スポーツ用品のナイキやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど消費関連株の一角も高かった。一方、顧客情報管理(CRM)のセールスフォースは大きく下げ、スマートフォンのアップルは小幅安だった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日ぶりに反発し、前日比132.313ポイント(1.3%)高の1万0475.254で終えた。ネット検索のアルファベットやネット通販のアマゾン・ドット・コムが上昇した。
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2022-11-04 20:14:34Z
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