半導体の受託生産世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が20日発表した4-6月(第2四半期)の売上高見通しは市場予想を下回った。スマートフォン向けからサーバー用に至るまで半導体需要の低迷が続いていることを反映した。
TSMCはモバイルとPC市場が底打ち、あるいは安定化しつつあるとしながらも、同業界の需要は当面「軟調」となる見通しだと警鐘を鳴らした。2023年の設備投資については最大360億米ドル(約4兆8400億円)と従来計画を据え置いた。
同社が公表した4-6月の売上高見通しは152億-160億米ドル。アナリスト予想平均は161億米ドルだった。
1-3月(第1四半期)の純利益は2069億台湾ドル(約9100億円)と、下方修正されていた市場予想平均(1942億台湾ドル)を上回った。市場のリーダーとしての立場を生かす一方、コストを抑制していることを示唆した。TSMCは4-6月の粗利益率を52-54%と見込んでいる。市場予想平均は52.5%。
魏哲家最高経営責任者(CEO)は決算発表後に開いたアナリストとの電話会議で、「4-6月はTSMCのビジネスサイクルの底を通過している局面だ」と指摘しながらも、PCとスマホ市場は「現時点で軟調が続いている」と述べた。
TSMCや同業の半導体メーカーにとって大きな問題の一つは、世界的なテクノロジー低迷がどの程度深刻なのか、そして新型コロナウイルスを徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を撤廃した中国の経済が今後、力強く回復するのかだ。同社は通年の売上高が減少すると見込んでおり、減収率は1桁台前半から半ばになると予想している。
また、TSMCは日本で建設中の新工場について費用が約80億ドルかかるとした上で、日本政府が半分程度を負担するとの見通しを示した。
原題:TSMC’s Outlook Disappoints as Global Tech Slump Persists (1)、TSMC Expects Japan to Share Half of $8 Billion Local Fab Cost(抜粋)
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2023-04-20 06:09:51Z
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