NHKの単独インタビューに応じたのは、東京・板橋区にある日本大学医学部の阿部雅紀主任教授です。
阿部主任教授によりますと問題が明らかになる前の去年11月から先月にかけて、70代女性1人と50代の女性2人が、尿が泡立つなどの症状が出たり健康診断で腎機能の異常が指摘されたりしたためこの病院を受診したということです。3人はいずれも腎臓の病気も含めて持病はありませんでしたが、腎機能が低下していたということです。
詳しい検査を行ったところいずれも薬剤などが原因で起こることが多い『尿細管間質性腎炎』と呼ばれる症状だったことから、薬の服用などについて尋ねると3人とも薬の服用はないものの、いずれも去年の春ごろから小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」を摂取し始めていたということです。3人は、1週間から数週間ほど入院し、腎機能は回復に向かっているということで、いまは退院して通院で治療を受けているということです。
このうち、50代の女性2人については自宅に残っていた、この健康食品を提供してもらいアレルギー反応を調べる血液検査を行ったところ、1人は反応が認められ、もう1人は反応は出なかったということです。
こうした経過について阿部主任教授は「3人がいずれも腎臓病やほかの持病がなく薬も服用していなかった。同じような時期に共通してこの健康食品を摂取していて、ほかに原因が考えられなかった」と話しています。
このため阿部主任教授たちは先月1日、小林製薬に問い合わせましたが、当時は同様の情報はないと説明を受けたということで、その後、先月29日に病院を訪れた会社側の担当者に症状について詳しく伝えたということです。
阿部雅紀主任教授は「入院した3人のうち1人は、腎機能がかなり悪化していた。いずれもそのまま放置していれば透析治療が必要になるおそれがあった。こうしたケースで、仮に心臓の病気など合併症があれば、命に関わる可能性もあると考えられる。腎臓の病気は自覚症状が乏しく、見過ごされがちで、尿の泡立ちや色の変化など異常を感じることがあれば、すぐに受診して欲しい。また、会社には原因となる物質を早く特定して欲しい」と話していました。
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2024-03-28 09:53:47Z
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