日本銀行は18、19日に開く金融政策決定会合で、マイナス金利の解除の是非についてより踏み込んだ議論を行う公算が大きい。15日に連合が公表する春闘の第1回回答集計を踏まえて、今月の解除が適当かを判断する。複数の関係者への取材で分かった。
関係者によると、焦点となっている今年の賃上げ動向について、春闘で昨年を上回る強い結果が出れば、今月の利上げに向けた後押しになる可能性がある。人手不足感が強まる中で、大企業の好調な内容は、不確実性が高い中小企業にも一定の波及が期待できる。
賃金と物価の好循環の強まりによって、2%の物価安定目標の実現が見通せる確度は一段と高まっており、3月か4月かにかかわらず、マイナス金利の解除が可能な環境が整いつつあるというのが多くの政策委員の共通認識だという。
15日の集計結果がどの程度の水準であれば十分かは政策委員の間でコンセンサスはできておらず、マイナス金利の解除と見送りの両方のシナリオが準備されているという。見送りの場合、市場の期待感を維持するため、利上げの可能性を示唆する必要があるかどうかを検討しているという。
昨年の賃上げ率は平均3.58%と30年ぶりの高水準となった。連合によると、4日時点の要求は平均5.85%と1994年以来の5%超えとなっている。
総裁判断が鍵
関係者によると、連合の第1回集計だけでは賃金動向全体を把握するには不十分で、4月25-26日の会合に向けて入手可能なデータや情報を十分に見極める必要があるとの声もある。
今月中にマイナス金利を終了すれば、タカ派的と受け取られ、追加利上げに対する不必要な臆測を生む可能性があるとの意見も一部に出ている。最終的には植田和男総裁の判断に委ねられ、それを軸にコンセンサスが形成される可能性が高いという。
日銀が利上げに踏み切れば、2007年2月に福井俊彦元総裁の下で無担保コールレートの誘導目標を0.25%前後から0.5%前後に引き上げて以来、約17年ぶり。デフレが長期化する中、日本経済を支えるために大規模緩和を続けてきた日銀の金融政策運営が大きな転換点を迎える。
マイナス金利を解除しても緩和的な環境は維持する方針で、当座預金の付利の調整によって無担保コールレートを0-0.1%などゼロ%に近い水準に誘導するとみられる。イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)は廃止を含めて取り扱いを検討するが、長期金利の急変動を回避する観点から、引き続き国債買い入れを中心に関与を継続。上場投資信託(ETF)の新規購入は停止される見通しだ。
ブルームバーグがエコノミスト50人を対象に5-11日に実施した調査によると、マイナス金利の解除時期について、今月18、19日の金融政策決定会合との予想が38%、4月会合は54%となった。前回の1月会合前はそれぞれ8%、59%で、3月の解除予想が大幅に増加した。
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2024-03-12 06:08:33Z
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