Selasa, 16 April 2024

1ドル=160円に備える為替トレーダー、高まる介入リスクお構いなし - ブルームバーグ

外国為替市場では円相場の急落により、日本の通貨当局による介入という脅威が迫る中でもトレーダーらの円安予想に拍車がかかっている。

  JPモルガン・チェースのプライベートバンキング部門とバンク・オブ・アメリカは、対ドルで既に34年ぶりの低水準にある円にとって、160円が次の節目となる可能性があるとみている。ティー・ロウ・プライスは、円が1980年代以来の円安水準となる170円前後まで下落するリスクを指摘している。

円はさらに10%下落も、日銀が大幅利上げに消極的-ティー・ロウ

  最近の相場の動きを手がかりとするなら、この水準への道筋は以前考えられていたよりも明確かもしれない。米国の高い政策金利が長期化するとの懸念がドル買いに拍車をかけ、先週だけで1%の円安となった。日本銀行による07年以来の利上げからわずか1カ月で、円が上昇するという予測は覆された。

  通貨当局が介入を実施しても円安を効果的に止められない可能性がある。ストラテジストらは、米国債利回りが上昇する中で、円は依然として米国との金利差に翻弄(ほんろう)されていると話す。日本時間16日午後0時の円相場は154円32銭と小幅に円安に振れ、今年に入ってからの下落率は9%に拡大した。

ドル・円の推移と介入実績

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、155円を超えて円安が進むと、当局が円買い介入に踏み切る可能性が高いとみる。一方、「介入がなければ、円は1990年4月の水準である160円20銭まで下落する可能性がある」と予想する。

  トレーダーらは円買い介入を強く警戒しているが、財務省は為替市場のボラティリティーが高まるまで傍観を決め込むかもしれない。

  財務省の神田真人財務官は2月、1カ月強の間に約10円も円安になることは「急速」だと述べた。ドル・円の28日間の最安値から最高値までの変動を測定する指標は7円で、神田氏の指摘する基準値には達していない。

Intervention Index Signals No MOF Action Yet

Source: Bloomberg

  呉明賾氏のような為替トレーダーにとって、円のさらなる下落は時間の問題だ。シンガポールのストーンXファイナンシャルの通貨トレーダーである呉氏は「ファンダメンタルズに何らかの変化が起きない限り、次は160円というのがもっともらしいシナリオだ」と語る。ただ、通貨当局の強い不満を招くことなく170円まで円安が進むとは考えにくいと述べた。

  JPモルガン・プライベートバンクの王然グローバル・マーケット・ストラテジストは、円安のスピードが円買い介入を促す要因になると注目している。同氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで「160円までどのように推移するかにかかっている」と指摘。「非常に急激で、やや無秩序な形で起こるのであれば、為替介入は確かにリスクだ」と話した。

  オーストラリア・コモンウェルス銀行のストラテジスト、キャロル・コン氏も、当局からの最近の警告は「介入ゾーンに入ったことを示唆している」と述べた。

  神田財務官は11日、当局は「あらゆる事態に常日頃から備えている」と述べ、当局が危機感を持って為替相場を監視していることを市場に警告した。

(チャートと第8段落以降を追加して記事を更新しました)

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2024-04-16 04:26:48Z
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