昨年の世界的な債券値上がりが続くことを期待していた投資家は、厳しい現実を突きつけられた。
今週発表された米インフレ率の高い数字が、米国の金利が長く高水準にとどまるとの予想を後押しし、2023年の世界ソブリン債リターン4.2%を帳消しにしてしまった。債券投資家は昨年、連邦準備制度の政策転換への期待によってなんとか利益を得たが、米経済の回復力を強調するデータが続く中、債券への弱気な見方が再び強まっている。
マッコーリーグループのストラテジスト、ガレス・ベリー氏(シンガポール在勤)は「リスクは損失が拡大することだ。主な危険は、時価評価による損失が膨らみ債券市場での強制的な売りにつながることだ」と話した。
ブルームバーグの国債指標は今年4.7%下落している。今年の米利下げ回数を2回以下と投資家が予想していることが主因。3月に始まり年内に150ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)以上の利下げという一時の予想から大きく後退している。
11日の米国債入札が手掛かりになるとすれば、売りはまだ続くだろう。30年物米国債の入札は、10年ぶりの高利回りにもかかわらず需要は低調だった。今週の米インフレ指標を受けて利回りが軒並み急上昇したため、投資家が再び市場に足を踏み入れることに懸念を抱いていることがうかがわれる。
10年物米国債利回りは12日に2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して4.57%となったが、前営業日に付けた5カ月ぶりの高水準に近い。
買いのチャンス
それでも、債券が損失を取り戻すと考える向きもある。トゥエンティーフォー・アセット・マネジメントは投資家が押し目買いを狙っているかもしれないと指摘。ポートフォリオマネジャーのフェリペ・ビジャロエル氏(ロンドン在勤)はリポートで「利下げ観測が後退して、一時的に下げることはあり得る」が、「当社が考えるように利下げが単に遅れるだけであれば、市場参加者は下落を買いの好機と捉えるだろう」と分析した。
しかし、世界の債券投資家にとって米国のインフレは依然として重要な懸念事項であり、債券の損失が拡大する可能性があるとの見方の根拠になっている。TDセキュリティーズのストラテジスト、プラシャント・ニューナハ氏(シンガポール在勤)はさらなる下落を予測する一人だ。
同氏は、米当局者がメッセージを変えるまでは債券売りが続くとみている。米10年債の利回りが「5%、あるいはそれ以上に上昇する可能性もなくはない」と同氏は述べた。
原題:U-Turn on Fed Rate Cut Bets Wipes Out Last Year’s Bond Gains(抜粋)
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2024-04-12 09:46:50Z
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