主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年7月17日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼16日(火)の為替相場
(1):独ZEW 1年ぶりに低下
(2):12日に円買い介入実施の可能性
(3):米小売売上高は予想を上回る
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値は重いが下値も限られる公算/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
16日(火)の為替相場
期間:16日(火)午前6時10分~17日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):独ZEW 1年ぶりに低下
独7月ZEW景気期待指数は41.8と市場予想(41.0)を上回ったが、前回(47.5)から低下した。同指数が前月比で低下するのは1年ぶりで、ZEW(欧州経済センター)はフランスの政治や欧州中銀(ECB)の金融政策を巡る不透明感が原因だと指摘した。
(2):12日に円買い介入実施の可能性
日銀が発表した17日の当座預金増減要因の予想によると、12日に介入が行われた場合に反映される財政等要因の予測は2兆7400億円の不足となった。介入がなかった場合の短資会社による予測が6000億円の不足であったことから、差し引きの2兆1400億円前後が12日の円買い介入に用いられた可能性が高いと推計されることになった。
(3):米小売売上高は予想を上回る
米6月小売売上高は前月比±0.0%と予想(-0.3%)に反して横ばいだった。前回5月分は+0.1%から+0.3%に上方修正された。自動車を除いた6月小売売上高は前月比+0.4%と堅調な伸びを示した(予想+0.1%)。また、国内総生産(GDP)の推計に用いられるコア売上高(自動車、ガソリン、外食、建材を除く)は前月比+0.9%と市場予想(+0.2%)を大幅に上回った。
16日(火)の株・債券・商品市場
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:上値は重いが下値も限られる公算
昨日のドル/円は終値ベースで約0.2%上昇。米6月小売売上高の上振れを受けて158.86円前後まで上伸したが、日本政府・日銀による円買い介入への警戒感や米国の利下げを巡る思惑から伸び悩んだ。
なお、政府・日銀は先週11日に続いて12日にも円買い介入を実施した可能性が高いことが日銀の当座預金残高予想から明らかになった。その規模は2.1兆円前後と推定される。市場は、その12日に介入が発動されたと推測される158.80円台を警戒水準として意識しているようだ。また、米国の利下げを巡る市場の観測は根強く、米6月小売売上高が上振れしても米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に3回の利下げを行うとの観測に変化は見られなかった。こうした中、ドル/円は本日も158円台後半が上値抵抗になりそうだ。一方、トランプ氏が11月の米大統領選で返り咲く可能性が高まる中、同氏の政策がインフレ押し上げにつながるとの見方も根強く、目先的に米長期金利の低下余地は乏しいだろう。したがって、ドル/円の下値も限られる公算が大きく、157円台前半は強い下値支持として意識されそうだ。
注目の経済指標:英消費者物価指数
注目のイベント:FRB高官発言
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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2024-07-16 23:55:32Z
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