10日の東京株式市場で日経平均株価は4日続落し、前日比178円68銭(0.61%)安の2万9106円78銭で終えた。前日の米株式相場で主要3指数がそろって下落した流れを受け、東京市場でも主力銘柄を中心に売りが出た。上海総合指数や香港ハンセン指数などアジア株相場が軟調に推移したことも指数を押し下げ、下げ幅は一時200円を超えた。
10日発表された中国の10月の卸売物価指数(PPI)で前年同月比の上昇率が過去最大となり、インフレ懸念から上海や香港の株価指数が軟調に推移したことが投資家心理を冷やした。日本時間10日の取引で米株価指数先物が軟調に推移したことも日本株の重荷だった。
一方で、相場の下値は堅かった。決算発表を受けた個別銘柄の物色がみられた。9日に連結利益予想を大幅に上方修正した日産自や、好決算を発表したNTTデータやバンナムHDなどが大幅に上昇した。
午後の中ごろからは安値圏で小動きとなった。10月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、米国でのインフレ動向を見極めようと次第に投資家の様子見姿勢が強まった。
衆院は10日午後の本会議で、与党などの賛成多数で岸田文雄首相(自民党総裁)を第101代首相に指名した。同日夜に自民、公明両党連立の第2次岸田内閣が発足する。既定路線との受け止めが多く、相場への影響は限られた。
JPX日経インデックス400は4日続落。東証株価指数(TOPIX)も4日続落し、10.81ポイント(0.54%)安の2007.96で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆5202億円。売買高は11億5329万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1213と、全体の56%となった。値上がりは873、変わらずは97だった。
値がさ株の一角であるソフトバンクグループと東エレク、アドテストは下落し、3銘柄で日経平均を113円ほど押し下げた。ディーエヌエやクレセゾンの下げも大きかった。一方、ネクソンとエムスリーが上昇。中外薬やKDDIも買われた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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2021-11-10 06:31:03Z
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