総務省が個人情報を流出させたLINEヤフーに資本関係の見直しを求めた行政指導を巡り、韓国最大野党「共に民主党」の李在明(イジェミョン)代表は11日、松本剛明総務相が伊藤博文の子孫であることとLINEヤフー問題を関連付けて批判した。伊藤博文は初代韓国統監で、植民地支配とLINEヤフーを巡る問題を結びつけ、韓国内のナショナリズムをあおった形だ。
李氏は「伊藤博文 朝鮮領土の侵奪 伊藤博文の子孫 韓国サイバー領土 LINEの侵奪」とフェイスブックに投稿。問題への対応が不十分として尹錫悦(ユンソンニョル)政権も批判した。韓国では総務省の行政指導を「日本がLINEを奪おうとしている」とする見方が一部のメディアで連日のように報じられている。初代首相の伊藤博文は、松本氏の母方の祖母の祖父にあたる。
日本の総務省の行政指導は、昨年発覚した無料通信アプリ「LINE(ライン)」の利用者らの個人情報流出を受けての措置。流出は大株主である韓国IT大手ネイバー側への不正アクセスが背景にあり、総務省はネイバーによる資本的な支配の強さがガバナンスに影響したとして、資本関係を含めた経営体制の見直しを求めていた。
一方、松本氏は10日の記者会見で「親会社等を含むグループ全体でのセキュリティーガバナンスの本質的な見直しの加速化を求めた。経営権といった視点から資本の見直しを求めたものではない」と説明した。
韓国の姜度賢(カンドヒョン)科学技術情報通信省第2次官は10日、「日本政府は行政指導に『持ち株売却』という表現はないと明確にした。しかし、(ネイバーに)圧力をかけたと認識されていることについては遺憾の意を表明する」と述べている。【ソウル日下部元美】
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2024-05-11 08:44:26Z
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