7日の米株式相場は大幅続落。米雇用統計が労働市場の好調を示し、米金融当局の積極的な利上げが続く公算が大きいとの現実を市場関係者に突きつけた。米10年債利回りは週間ベースで1984年以来最長の連続上昇となった。ドル・円相場は145円台前半。
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S&P500種は前日比2.8%安の3639.66。構成銘柄の95%近くが下落した。ダウ工業株30種平均は630.15ドル(2.1%)安の29296.79ドル。ナスダック総合指数は3.8%低下し、ナスダック100指数も4%近い下げとなった。
雇用統計について、CIBCプライベート・ウェルス・マネジメントのデービッド・ドナベディアン最高投資責任者(CIO)は、マーケット底入れのプロセスが長引くとの見方に「感嘆符」を付けるものだと語った。イートロのキャリー・コックス氏は、大幅利上げの「奇妙に逆転した世界」で、この堅調な統計は混乱に備える理由の一つと受け止められる可能性があると話した。ブラウン・ブラザーズのウィン・シン氏は、11月の75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利上げは「確定事項だ」としたほか、12月の75bp利上げも現実味を増していると分析した。
米国債相場は軒並み下落し、利回りが今週の最高水準に達した。ニューヨーク時間午後4時15分現在、10年債利回りは6bp上昇の3.88%。週間ベースで10週連続上昇となった。スワップ市場の動向によれば、11月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合の利上げ幅は75bp近くが織り込まれた。短期金融市場が示す政策金利のピーク水準も上昇した。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、政策金利はいずれ4.5%付近に上昇する必要があると指摘。ただ上昇のペースと、今回の引き締めサイクルにおけるピークについては、今後の経済情勢に左右されるとの見解を示した。ここ数日ではその他の金融当局者も、断固としたタカ派姿勢を相次いで示した。
NY連銀総裁、政策金利はいずれ4.5%付近に上昇へ-インフレ抑制で
投資家の注目は、週明けに発表される米インフレ統計とFOMC議事要旨 (9月20-21両日開催分)に移る。
外国為替市場では、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数が0.4%上昇。米雇用統計を受けてタカ派的な金融政策が続くとの見方が強まった。また予想より良好なカナダ雇用統計や原油高を背景に、カナダ・ドルは他通貨をアウトパフォームした。
ドイツ銀行のアラン・ラスキン氏は雇用統計発表後のリポートで、インフレの大幅オーバーシュート(目標超過)に対する金融当局の積極対応を阻むものはほとんどないと説明。「雇用統計は当局に(タカ派の)自由裁量を与える。経済が底堅いうちは、政策転換の動機は一切存在しない」と指摘した。
ドルは対円で小幅続伸。一時は145円44銭を付けた。ニューヨーク時間午後4時15分現在、ドル・円は0.2%高の1ドル=145円37銭。ユーロは対ドルで0.5%安の1ユーロ=0.9738ドル。
ニューヨーク原油先物相場は5日続伸。週間ベースでは3月初旬以来の大幅高となった。マクロ経済を巡る不安はくすぶっているものの、供給見通しが一段と悪化しつつあることが材料視された。
先物の異なる限月の価格差であるタイムスプレッドでは、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」が今週、大規模な減産を発表する以前から、供給不足が示唆されていた。
燃料卸売業者TACエナジーのアナリストらは「今週は供給懸念が相場を動かす主因になっているようで、需要懸念は二の次になっている。株式市場では需要懸念が中心にとどまっているにもかかわらずだ」と顧客向けリポートで指摘した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物11月限は、前日比4.19ドル(4.7%)高の1バレル=92.64ドルで終了。週間では16%超上げた。ロンドンICEの北海ブレント12月限はこの日、3.50ドル高の97.92ドル。
ニューヨーク金相場は下落。スポット相場はオンス当たり1700ドルを割り込んだ。米雇用統計で労働市場が依然としてタイトな状況にあり、米金融当局がタカ派的な政策軌道を維持することが示唆されたことから、売りが膨らんだ。
オアンダのシニアマーケットアナリスト、エド・モヤ氏は「堅調な米雇用統計を受けて、米金融当局による積極的な引き締めの可能性が続く」とし、それが金の重しになっていると指摘。「米経済は一部トレーダーが予想していたほど速いペースでは悪化していない。来週のインフレ統計で減速のサプライズが何もなければ、米金融当局の政策転換は遠い先になると思われる」と述べ、金は1680ドルに向かって一段安になるリスクがあると付け加えた。
スポット価格はニューヨーク時間午後3時4分現在、前日比1%安の1オンス=1696.08ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.7%安の1709.30ドルで終了した。
原題:Stock Traders Hit Sell Button on Hawkish Fed Bets: Markets Wrap(抜粋)
Dollar Gains After Jobs Data; Loonie Best in Show: Inside G-10(抜粋)
Oil Posts Biggest Weekly Gain Since March on Supply Fears(抜粋)
Gold Tumbles After US Jobs Data Keeps Fed on Hawkish Track(抜粋)
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2022-10-07 17:13:00Z
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