東芝が完全子会社化を目指して株式公開買い付け(TOB)を実施しているグループ会社の半導体製造装置メーカー、ニューフレアテクノロジーをめぐり、光学機器大手HOYAが対抗する形でTOBを表明し、買収合戦に発展する可能性が出ている。東芝の車谷暢昭会長は産経新聞のインタビューで、HOYAのTOBへの応募について「1万%あり得ない」と拒否する姿勢を明確にしており、事態は長期化する様相が濃くなってきた。
東芝がニューフレアのTOBを実施しているのは、両社が親会社と子会社がそれぞれ上場する「親子上場」の関係にあり、親会社が子会社の少数株主に不利益を与えるといった問題点が指摘されているためだ。東芝は11月13日、グループのコーポーレートガバナンス(企業統治)強化の観点から、他の上場子会社2社とともにニューフレアの完全子会社化を表明。14日から1株当たりの買い付け価格を1万1900円としてTOBを始めた。東芝は約52%のニューフレア株を保有しており、締め切りの12月25日までに第三者に拒否権を持たれない3分の2超の株式取得を目指している。
これに対し、HOYAも13日、ニューフレアの完全子会社化を目指し、1株当たりの買い付け価格が東芝より1千円高い1万2900円でTOBを表明。HOYAは半導体の製造過程で使う部材などを手掛けていることから「両社が有する知見を組み合わせることにより、双方の企業価値向上に資するシナジー(相乗効果)を発現できる」と説明しており、東芝側に応募も求めている。東芝のTOB不成立を条件に来年4月にはTOBを始める方針だ。
HOYAの提案について東芝の車谷会長はインタビューで「われわれが株を売らなければ成立しない」と指摘。ニューフレアに関しては「東芝の技術陣がいなければ開発もできない。東芝が手放したら死んでしまう」と述べ、東芝による完全子会社化が最適だとの考えを改めて強調した。
一方で、旧村上ファンド系の投資会社が11月14日以降にニューフレア株を買い増していることや、旧村上ファンド系の別の投資会社がニューフレア株を約16%保有する東芝機械の筆頭株主でもあることが判明。東芝のTOBを成功させるには東芝機械の意向が重要となるが、HOYAのTOBに応募する可能性もあり、事態の行方はさらに混沌としてきている。(桑原雄尚)
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2019-12-19 08:26:27Z
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