31日付でセブン-イレブン・ジャパンとのフランチャイズ契約が解除される大阪府東大阪市のセブン-イレブンオーナー松本実敏さん(58)の店舗が30日夜、セブン-イレブンとしての営業を終えた。松本さん側は、店の明け渡しを拒否するとともに、31日と元日は臨時休業し、2日から独自営業する予定。

セブンオーナーとしての“最終日”を迎えた松本さんは「時短を決めたときよりもすがすがしい気持ちです」と話した。午前6時に出勤し、レジ打ち、納品など、いつも通りの仕事をこなした。セブン側からの商品の配送は午後1時30分が最後。それ以降の配送は断り、午後11時の閉店前にはコンビニ定番の弁当やおにぎり、パンなどが陳列棚からなくなった。

29日は大阪市内でセブン本部と話し合ったが、決裂した。セブン本部側から契約解除の最後通告を受け、一夜明けたが、決意は変わらない。「商品がある限り、店は続ける。最後まで闘う」。周囲に「店をやめたい」と漏らしたとき、叱られたという。「あんたは自分のためだけにやっているんか!」。激励の言葉に勇気づけられた。

この日午後、大阪府内のコンビニ店オーナーが来店した。「松本さんのおかげで、やっと時短に踏み切ることができた」。花束とともに感謝の言葉があった。

松本さんは人手不足を理由に、今年2月から本部の許可を得ず、自主的に時短営業をスタート。コンビニの24時間営業問題の議論のきっかけをつくり、「物言うオーナー」としてコンビニ業界の急成長を支えた「年中無休、24時間営業」に一石を投じた。

徹底抗戦を誓い、年明けにも地位確認などを求める訴訟を提起することを検討している。年明け、「セブン」の看板がない営業が始まる。【松浦隆司】