【ワシントン=河浪武史】米労働省が6日発表した11月の雇用統計(速報値、季節調整済み)は景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月比26万6千人増えた。市場予測(約19万人)や前月実績(15万6千人)を大きく上回り、米連邦準備理事会(FRB)は利下げを休止する見込みだ。ただ、トランプ大統領の支持基盤である中西部の製造業は雇用が弱含み、政権に焦りもある。
失業率は3.5%と前月比0.1ポイント低下し、半世紀ぶりの低水準を保っている。ゼネラル・モーターズ(GM)のスト終結で自動車関連の就業者数が4万人増えた。運輸・倉庫業も年末商戦を前に雇用を1万5千人積み増した。就業者数全体の伸びは10カ月ぶりの大きさで、直近3カ月の月平均も好調の目安とされる20万人を再び上回った。
FRBは貿易戦争による景気不安を和らげるため、3会合連続で政策金利を引き下げてきた。ただ、雇用の底堅さを受けて「先行きは緩やかな経済成長が続く」(パウエル議長)との見方を強めている。11月の平均時給は前年同月比3.1%増と、16カ月連続で3%台の伸びを保った。賃金にも上昇圧力がかかっており、10~11日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、4会合ぶりに利下げを見送る見通しだ。
ただ、トランプ氏は追加利下げの要求を弱める気配がない。大統領選の激戦州で製造業の雇用が弱含み、再選を危うくするリスクがあるからだ。
2016年の選挙でトランプ氏は12州ある激戦州のうち7州を制し、番狂わせとされる勝利を収めた。中でも製造業の衰退が目立つ「ラストベルト(赤さび地帯)」と呼ばれる中西部では労働者がトランプ氏の保護主義的な主張に共鳴した。
だがウィスコンシン州では10月の製造業の雇用数が前年同月比1.6%減少。同州やペンシルベニア(同1.7%減)などトランプ氏が制した7州のうち5州で製造業の雇用が純減に転じた。米国全体では1年で雇用者数が1.3%増えたのに比べて不振が目立つ。
もっとも、製造業に浮かぶ雇用不安はトランプ氏が仕掛けた貿易戦争が原因の一つだ。製造業の労働者は中国製品の流入で自らの雇用が脅かされる一方、貿易戦争が長引けば輸出不振で同じように労働環境が揺らぐジレンマにある。
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2019-12-06 13:33:11Z
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