野球日本代表の「侍ジャパン」がワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一になったり、バスケットボールやラグビーのワールドカップ(W杯)で日本代表が躍動したりと、スポーツ業界が盛り上がった2023年も残りわずかとなった。新型コロナウイルスの5類移行で経済活動の正常化が進むなど明るい話題があった一方、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化やイスラエルとハマスの軍事衝突といった国際情勢への不安が続いた。そんななか、国内の投資信託市場で関心を集めた今年のトピックについて、QUICK資産運用研究所が独自に選んだ「投信10大ニュース」で振り返る。
新NISA関連が上位に
関心を集めたニュースの上位には、2024年1月から始まる新しい少額投資非課税制度(NISA)関連が複数上位に入った。1位は新NISAの「成長投資枠」対象ファンドのリストが公表されたこと。運用会社が要件を満たすと判断したファンドを届け出し、投資信託協会が6月以降8回にわたって取りまとめた。年内最後のリストが12月19日に公表され、年明け1月4日時点で買い付け可能なファンド(投資法人を除く)は2029本で確定した。
成長投資枠の対象を巡っては、毎月分配型とヘッジ目的以外でデリバティブ(金融派生商品)取引を利用するファンドなどが除外となった。要件を満たすために約款を変更したり、毎月分配型の代替として隔月分配型を新規設定したりする動きが相次いだ(10大ニュースの9位)。
新NISAの開始を控え、運用会社や販売会社のシェア争いも活発化した。超低コストのインデックス型(指数連動型)ファンドでは、信託報酬をさらに引き下げる競争が3月ごろから断続的に繰り広げられた。特に全世界株指数への連動を目指すファンドは国内の大手運用会社も複数加わって競争に拍車がかかり、0.05%台(年率・税込み)の勝負となった(同5位)。販売会社では既存顧客の囲い込みや新規口座の獲得を図るためのキャンペーンが過熱。ネット証券ではSBI証券や楽天証券などが日本株の売買手数料を無料化するなど、熾烈(しれつ)な競争へと発展した(同6位)。
「資産運用立国」実現に向けた動き
新NISA以外では、政府が6月にまとめた経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)で「資産運用立国」を目指すと宣言したことが話題になった(同3位)。政府は運用力の強化や海外勢の誘致などの実現に向けた「資産運用業等の抜本的な改革」を打ち出し、12月13日には「資産運用立国実現プラン」を公表した。
これに先立ち金融庁が4月に「資産運用業高度化プログレスレポート2023」を公表。運用会社の経営体制や運用体制の透明性の確保、顧客の利益にかなう商品提供を基本とする「プロダクトガバナンス」の強化など販売会社も含めた資産運用業界の課題を指摘し(同4位)、これが「資産運用立国実現プラン」を議論する際の土台にもなった。
そのほか、東京証券取引所においてアクティブ運用型(積極運用型)の上場投資信託(ETF)が解禁され、9月に6本のETFが初上場したこと(同2位)や、セゾン投信の創業者である中野晴啓会長が解任され、新会社を設立したこと(同8位)などにも関心が高かった。
(QUICK資産運用研究所 石井輝尚)
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2023-12-28 03:00:00Z
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