欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は、ユーロ圏の2020年経済成長・インフレ予想を下方修正した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が追加緩和に踏み切る根拠がまた増えた。ECBは2週間後の次回会合で、利下げをするか追加緩和が近いと示唆する可能性がある。
欧州委は10日公表した四半期経済見通しで、2020年のユーロ圏域内総生産(GDP)成長率予測を1.5%から1.4%に引き下げた。下振れリスクが増えたと指摘した。インフレ率については今年、来年ともに1.3%と小幅に下方修正した。ECBは中期的に2%弱のインフレを目指している。
欧州委は、米中の長引く経済対立と世界貿易の低迷、英国のEU離脱が全て、脆弱(ぜいじゃく)なユーロ圏経済を脅かしていると分析した。
ドムブロフスキス副欧州委員長は、「域内経済の底堅さが試されている」とし、「域内的には、合意なき英EU離脱が依然として主要なリスク要因だ」と述べた。
今年はドイツとイタリアが域内最低の成長率になると見込まれている。ドイツは0.5%、イタリアは0.1%、ユーロ圏全体は1.2%成長との見通しは5月時点の予測と変わっていない。
欧州委は報告で「今年の後半に期待されていた回復は、想定より弱いとみられる。世界の製造業のサイクルはまだ底を打たず、貿易と投資の見通しは引き続き、保護主義と不確実性により曇っている」と分析。「中国の中期的な見通しと、中東における最近の地政学的緊張の悪化を巡る懸念もある」と指摘した。
原題:EU Sees Euro-Area Weakness Persisting as Outlook for 2020 Cut(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-07-10/PUF6WJ6JIJUR01
2019-07-10 11:44:00Z
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